この記事では、「混同」と「混在」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「混同」と「混在」の違い
「混同」には、3つの意味があります。
1つめは、違うものとしてわけなければならないものを、同じ一つのものとして扱うことです。
2つめは、あるものの中に、種類や性質が違うものが入って、一つになることです。
3つめは、反対の立場にある二つの法律的地位が同じ一人に帰することです。
「混在」とは、いくつかの種類や性質が違うものが一緒に存在することです。
どちらの言葉にも、まじる、まざる、まざりあって区別がつかないさまという意味を持つ漢字である「混」が使用されており、まじる、まざるという点では意味が共通しています。
しかし、ニュアンスが異なります。
「混同」には3つの意味がありますが、2つめの意味では「混在」とほぼ同じ意味です。
しかし、「混同」の場合は、いくつかのものが混ざって一つになっていますが、「混在」の場合は混ざっても一つにはなっていません。
いろいろと種類や性質が違うものがあるけれど、それらは区別がつくように存在しています。
「混同」は同一のものとして扱うという意味を持っており、この意味は「混在」にはありません。
「混同」と「混在」の使い方の違い
違うものとして扱わなければならないのに、同じ一つのものとして扱うことについて「混同」を使用します。
いくつかのものがあり、それらが混ざって一つになっていることについても使用します。
似ているような意味に感じますが、「混在」はいろいろなものが混ざって存在しているけれど、それらは一つにはなっていません。
種類や性質が同じでないものがあることについて使用をします。
「混同」と「混在」の英語表記の違い
「混合」は英語で“mixing”や“mixture”と表現をします。
「混在」は英語で“mixed”や“mixture”と表現をします。
「混同」の意味
「混同」には、3つの意味があります。
1つめは、もともと別のもので、違うものとして扱わなければならないものを、同じ一つのものとして扱うことです。
Aサービスというものがあったとします、 このサービスでは、レシートを撮影してアプリから送ると、ポイントをもらうことができます。
これとは別に、アプリで今日の商品として紹介しているものを購入し、購入したことを示すレシートを撮影してアプリから送ると、ポイントをもらえるサービスも行っています。
似ているサービスですが、どのような商品でもいいので購入をしたレシートでいいサービスと、それとは別に特定の商品を購入したレシートが必要なサービスとがあります。
この2つは別のものですが、似ているので一緒のものだと勘違いしてしまいやすいです。
そして、実際に同じサービスだと勘違いして扱ってしまうことがあります。
本来別なのに、同じものだとしてしまっているのです。
そういったことを意味する言葉です。
2つめの意味は、あるものの中に、性質や種類が違うものが入りこんで、同じ一つのものになることです。
ミキサーでジュースを作るときのことで考えてみます。
小松菜、リンゴ、バナナなどの材料を入れて、ミキサーにかけます。
すると、小松菜やリンゴなど種類が違うものが一緒になってしまいます。
区別することができません。
一緒になって区別がつかない一つのものになる意味です。
3つめは、反対の立場にある二つの法律的地位が同じ一人に帰することです。
「混同」の使い方
区別しなければならないものを一緒のものと扱うことや、別々のものが混ざって一つになることについて使用をします。
区別しなければならない意味では、一緒のものとして扱ってしまっていても、同じ一つのものになってしまっているのではありません。
区別することは可能です。
法律的地位の意味では、日常的に使うことは少ないです。
「混同」を使った例文
・『地域の名前と特産品の名前が似ていて混同してしまう』
・『特定のサービスと他のサービスを混同する』
・『英語の表現方法を混同する』
・『アヤメとショウブを混同する』
「混同」の類語
「混ざる」が類語です。
「混同」の対義語
「区別」が対義語です。
「混在」の意味
「混在」とは、あるものの中に、種類や性質が違うものが入って存在していることです。
古い住宅街があります。
この住宅街には、古くからある家ばかりが建っており、新しい家はほとんどみられません。
しかし、まったく新しい家がないのではなく、ぽつぽつと古い家に混ざりながら、新しい家が建っています。
この状態は、古い家と新しい家が混ざり合っているということができます。
古いものと新しいもので、性質が違うものです。
古い家がある中に新しい家があり、混ざり合っているものの、区別をつけることはできます。
このように、いくつか種類や性質が違うものが混ざっていることを意味しています。
混ざっていても同じものになってしまっているのではなく、あるものと他のあるものを見分けることができます。
バナナと牛乳をミキサーにかけてバナナジュースを作ると、バナナと牛乳が一緒になって区別できません。
このように区別できないように混ざっていることを指しているのではない言葉です。
「混在」の使い方
いくつかのものが一緒に存在していることについて使用をします。
物質についても非物質についても使うことが可能です。
古い家と新し家の例だと物質についてになります。
嬉しい気持ちがあるけれど、不安もあるといった場合、違う気持ちが一緒に存在していることになり、こういったことについて使用できます。
これは、非物質についてです。
一緒に存在していても、混ざり合って同じものにはなっていません。
「混在」を使った例文
・『不安と期待が混在する』
・『肯定派と否定派が混在する』
・『賢いところとお茶目なところが混在する彼がかわいい』
・『乾燥している部位とニキビが混在している』
「混在」の類語
「入り混じる」が類語です。
「混在」の対義語
「区別」が対義語です。
まとめ
混ざるという意味を持つ2つの言葉ですが、混ざって同一のものになっている、混ざっても同一のものにはなっていないという点で意味が異なります。