「関与」と「関連」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「関与」と「関連」の違い生活・教育

この記事では、「関与」「関連」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「関与」と「関連」の違い

「関与」とは、「ある事柄に関係すること」を意味しています。

それに対して、「関連」という表現は「関わりを持つこと」ではなく、「何らかの関わりがあること」を意味している点に違いがあります。

「関与」の言葉は「実際に何かをすることで、他の物事と関わりを持つこと」を示唆していますが、「関連」のほうは「何かをするのではなく、その時点である物事と他の物事との間に何らかの関わりがあること」を示しているのです。


「関与」と「関連」の使い方の違い

「関与」「ある物事に関わる」の意味合いから、「~に関与する」「動詞」としての使い方をすることができます。

しかし、「関連」「関連する」「動詞」としての使い方をすること自体はできるものの、「~に関連する」には「あることに能動的に関わる」というところまでの意味のニュアンスがないという違いがあります。

「関連」の使い方は「関与」とは異なり、「~と関連する・~に関連する」「~との関係がある」というその時点のステータス(状態)を示唆するにとどまるのです。

そのため、「相互に関係のある質問」の意味で「関連質問」という表現はありますが、「関与質問」の表現は一般的には使われない違いもあります。


「関与」と「関連」の英語表記の違い

「関与」という言葉を、英語で表現すると以下になります。

“involve”“get involved~”……ある人物を巻き込んで関わる。人に関与する。

“engage”“get engaged~”……ある物事(活動)を巻き込んで関わる。活動に関与する。

“commit”“commitment”……ある物事にコミット(関係・参加)する。コミットメント・関与。

「関連」という表現を、英語を用いて表すと以下になります。

“connection”……ある人・物事とのつながり。コネクション・関連。

“be connected with~”……~とつながりを持つ。~と関連を持つ。

“relation”……ある人・事柄との関係。相関関係・関連。

“be related to~”……~と関係を持つ。~と関連を持つ。

「関与」の意味

「関与(かんよ)」は、「ある物事と何かの関わりを持つこと」を意味している言葉です。

「関与」という言葉は、「ある活動に参加したりコミットしたりすること」を示しています。

「関与」「関」の漢字は「関係」を意味していて、「与」の漢字には「与る(あずかる)=関わってたずさわる」の意味があります。

さらに「関与」という表現は、「ある物事に従事したり携わったりする」といった意味合いも備えています。

「関与」の使い方

「関与」の使い方は、「ある物事と能動的に関係を持つ」の意味で使うことができます。

「関与」という表現は「ただそこに特定の関係が成り立っている事実そのもの」を指し示すのではなく、「主体となっているものがある程度積極的に関係を持つ行為」を指して使われるのです。

例えば、「風説の流布に関与する」などの文章で使用することができます。

「関与」を使った例文

・『彼は若い頃に前科があったため、社内の窃盗事件に関与しているのではないかと疑われました。』

・『新型コロナウイルスのワクチン接種の順番待ちで不正が行われた背景には、政治的な圧力が関与していたと考えられています。』

・『その事件に関与していた人たちのプロフィールを集めています。』

・『野球賭博に関与していたプロ野球選手たちの処分の内容が公表されました。』

・『詳細が明らかにされていないその巨額贈収賄事件では、政財界の重鎮の関与が疑われています。』

「関与」の類語

「関与」の類語には、以下の言葉があります。

・『参加(さんか)』……ある集団・イベントのメンバーになって一緒に行動(活動)すること。

・『従事(じゅうじ)』……特定の仕事・活動などに参加して役割を果たすこと。

・『コミットメント』……ある活動に参加すること。ある物事に積極的に関与すること。

「関与」の対義語

「関与」の対義語には、以下の言葉があります。

・『無関与(むかんよ)』……ある事柄に関与していないこと。特定の問題と能動的に関わりを持っていない状態。

「関連」の意味

「関連(かんれん)」とは、「ある物事とそれとは別の物事の間に、何かの関係があること」を意味しています。

「関連」という表現は、「二つ以上の物事の間にある相関関係・関わり(つながり)」を示唆しているのです。

「関連」の使い方

「関連」の使い方は、「複数の事柄の間に何らかのつながりがある状態」の意味で使うという使い方になります。

「関連」は、「関連がある・関連がない・関連性・関連記事・関連質問・関連が深い」などの用法で使用することができます。

「関連」を使った例文

・『政治が変化する動きと経済(景気)の状態には、必ず一定の関連性があります。』

・『関連記事を検索して調べることで、その社会問題についての理解をいっそう深めることができます。』

・『先ほどのプレゼン内容について関連する質問がございましたら、挙手の上で質問をお願いします。』

・『この二つの未解決事件には、無視することができない相互に関連する要素があるのです。』

・『アメリカとロシア・中国の政治体制的な対立構造は、世界各地で起きている紛争事態との関連が深いのです。』

「関連」の類語

「関連」の類語には、以下の言葉があります。

・『関係(かんけい)』……複数の事柄の間に、何らかのつながりがあるさま。

・『連関(れんかん)』……二つ以上の物事の間にある関係。「関連」と意味が同一である同義語。

・『繋がり(つながり)』……何らかの関係・接点があること。何かの要素でつながったもの。

「関連」の対義語

「関連」の対義語には、以下の表現があります。

・『無関係(むかんけい)』……複数の物事の間に、何の関わりもないこと。

・『無関連(むかんれん)』……ある事柄と他の事柄の間に、何も相関がないこと。

まとめ

「関与」「関連」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「関与」「関連」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容を読んでみてください。