この記事では、「言葉」と「単語」と「熟語」の違いを分かりやすく説明していきます。
これら3語の主に日本語における意味や違いについて、例を交えながら概要を紹介していきますので、日本語での適切な利用方法について参考にしていただけますと幸いです。
「言葉」とは?
「言葉」とは音声や文字、記号で表され、知識や要件、感情や思想を伝えるコミュニケーションための手段となる表現、もしくは表現の体系「全般」のことです。
「言葉」の一部には後述の「単語」や「熟語」も含みます。
また、文法や発音、作り方が定義された「言葉のルール」である「言語」によって英語やフランス語のように「特定の集団が使う表現」に分類されることもあれば、「コンピュータ言語」により、「コンピュータの入力値」に変化するなど広い意味を持ちます。
「単語」とは?
「単語」とは一まとまりの意味を持つ最小限の「言葉」です。
文章には「句」、「節」、「文」などの構成単位があり、文章の「最小単位」を「単語『もしくは語』」といいます。
「単語」は主に日本語において「動詞」、「名詞」などの10種類の品詞に分類され、文章を分解した際に、「単語」以下には分解できないという特徴があります。
例えば「私は朝食を食べる」という文章を単語に区切ると「私『=名詞』」、「は『=助詞』」、「朝食『=名詞』」、「を『=助詞』」、「食べる『=動詞』」となりますが、これ以上分解すると「言葉」としての意味がなくなってしまうため、分解できません。
また、単語には「ああ」や「うわあ」のような「感動詞『=一語で表す感情表現』」も含みます。
「熟語」とは?
「熟語」は非常に定義が曖昧で広い意味を持ちますが、大まかに2つに分かれます。
まず、1つ目の意味は、複数の「単語」が複合し、1つの意味を持つようになった「言葉」です。
主な日本語での代表例は「気がきく」など慣習的な言回しである「慣用句」、「急がば回れ」など昔話からの教訓・知識を表現した「ことわざ」、「年越し」など単純に複数の「単語」をそのまま掛け合わせた「複合語」となります。
次に、2つ目の意味は、複数の「漢字」が複合し、1つの意味を持つようになった「単語」です。
例として「美女」、「幸福」などがあげられますが、この場合、「熟語」であると同時に、「単語」でもあります。
なお、漢字4文字で表現される「四字熟語」は一般に「慣用句」や「ことわざ」と見なされることから、1つ目の意味に分類できると言えます。
「言葉」と「単語」と「熟語」の違い
まず、「言葉」は文字や音声によるコミュケーション手段「全般」を指し、「単語」と「熟語」は「言葉」の「一部」という違いがあります。
次に、「単語」はそれ以下には分解できないと定義されていますが、複数の「単語」を掛け合わせた「言葉」である「熟語」は部品である「単語」へ分解できるのがこの2語の違いです。
ただし、複数の「漢字」を複合させた「熟語」では、同時に「単語」としても成立するため、このケースでは分解できません。
まとめ
「言葉」と「単語」と「熟語」については以下のようにまとめられます。
・「言葉」は「単語」、「熟語」を含め、文字や音声によるコミュケーション手段「全般」を指します。
・「単語」は一まとまりの意味を持つ最小限の「言葉」であり、文章の「最小単位」です。
・「熟語」は「複数の『単語』の掛け合わせ」、「複数の『漢字』の掛け合わせ」の2つの意味を持ちます。
ただし、「四字熟語」は前者の意味です。