この記事では、「全治」と「完治」の違いを分かりやすく説明していきます。
よく聞く言葉を区別していきましょう。
「全治」とは?
全治(ぜんち)とは、病院に通って治療を受ける期間のこと。
おもに事故で骨折やけがをした場合に用いる言葉です。
例えば「全治6か月の見込み」というと、その骨折が治るまでにおよそ半年は病院にかよってドクターの診察を受けるという内容になります。
全治は最初の診断で担当医から告げられることが多く、けがの回復が思ったよりも早いと、途中で期間が短くなることもあります。
また反対に状況が深刻で治りも遅い場合には、全治期間が予定よりも長引くことがあります。
全治というのは、あくまで病院の先生が考える「治療にかかる目安」のこと。
そのため人によっては全治が過ぎても、痛みなどの後遺症が残ることもあります。
治療にかかる、おおよその期間が全治です。
「完治」とは?
完治(かんち)とは病気やけが、すっかり良くなること。
以前の調子が戻ってきて、パーフェクトな状態になることです。
病気や事故によって感じていた症状が、すっかりなくなることを完治といいます。
痛みや辛さのない、はれやかな状態が完治です。
完治は病院の治療がすべて終わって、リハビリも必要なくなった様子をあらわします。
医療の手に頼らずに、自分の足で独り立ちしていけるようになる、喜ばしい状態です。
ちなみに完治と似ている言葉に、寛解(かんかい)があります。
寛解とは症状が収まっているけれども、いずれ再発する可能性もあること。
医療用語です。
「全治」と「完治」の違い
どちらもニュースでよく聞く言葉です。
「全治」と「完治」の違いを、分かりやすく解説します。
・全治は治療の期間、完治は完全に治ること
「全治」と「完治」はどちらも「治る」という漢字が含まれているので、見分けが難しいです。
全治は骨折やけがをした場合に用いられます。
病院に通って、治療を受けるべき期間をあらわします。
そのため「全治1か月」というと「そのけがを治すのに1か月かかる」ことになります。
そして完治とは、けがをする前の状況に戻ること。
不快な症状がなくなり、以前の生活がおこなえるようになる状況をあらわします。
一般的には病気やけがをすると、全治期間だけがクローズアップされやすいです。
けれども例え治療が終わったとしても、筋力が衰えていたりけがをした箇所に違和感を覚えたり、異変を感じることは多いものです。
うまく自分の症状と向き合いながら、以前と同じように体の機能を回復させていくことが完治です。
そのため患者さんにとって、人生のあらたな再出発となるのは全治よりも完治になります。
まとめ
「全治」と「完治」の違いを分かりやすく説明しました。
全治とは病院に通院する期間のこと。
治療のために、医療施設のお世話になる月数をあらわします。
そして完治とは、以前と同じような暮らしがおくれること。
新たなスタートを切ることです。