この記事では、「敵討ち」と「仇討ち」の違いを分かりやすく説明していきます。
「敵討ち」とは?
「敵討ち」は、殺されてしまった人物の無念を晴らすために家族や親族のような第3者が殺された人物を殺害した人物を探して殺害か社会的に抹殺することです。
なお、現在ではこのような行動は報復という意味になり、かつ家族が殺害されたから相手も同じ目に合わせるというのは法律違反になります。
「仇討ち」とは?
「仇討ち」は、「敵討ち」のことなんですが、原則が、対象の抹殺になります。
よって社会的に抹殺という具合に相手を生きた状態で生き永らえさせるという考えは、「仇討ち」にはありません。
「敵討ち」と「仇討ち」の違い
両者の違いは、言葉が生まれた時代が異なり、「仇討ち」が江戸時代になり、この時代には、「仇討ち」にはルールが適応されていました。
一方「敵討ち」は、「仇討ち」のルールが広まり、敵を正当な理由で撃ち滅ぼす行為とした違いです。
ただ、両者の取る行動内容はほぼ同じですが、「仇討ち」のみ加害者を殺害し、「敵討ち」は別に加害者を殺害せずともよいという違いもあります。
「敵討ち」の例文
・『父の無念を晴らすために敵討ちを行い相手を社会的に抹殺した』
この例は父親の無念を晴らすために相手に報復して、相手を社会的に葬ったという例です。
対象を殺害していないが、もはや死んだも同然であるという状況に追いやったという例になります。
なお、この行動は報復になりますので、相手を殺害していなくとも相手のプライバシーや社会的な地位を貶める行為になりますので法律上では禁止行為で犯罪です。
「仇討ち」の例文
・『主君が殺害されたので犯人を捜し仇討ちを行う』
この例は江戸時代に多かった報復活動です。
この例は、江戸時代であるがゆえ、許された報復活動で須賀、現在では違反行為で法律に違反しているうえ、犯罪行為になります。
よって、現在においては、犯人を特定し、逮捕し裁判という流れが正しい流れになります。
まとめ
「敵討ち」であれ、「仇討ち」であれ両者ともに報復活動です。
なのでやっていることは同じなんですが、「敵討ち」は別に相手を殺害しないこともあるので殺人を犯すという意味においては違いがあります。
だから「敵討ち」と言って相手の地位を陥れて犯罪者であると周囲に知らしめるのも「敵討ち」と呼ぶわけです。
逆に、「仇討ち」は、手法が相手の殺害であるため、どんなに相手が犯罪者であっても同じ犯罪者になるのが「仇討ち」の原則になります。
よって、現在に多い手法は、おそらく「敵討ち」という手法で相手が犯罪者だと周囲に公言したうえで自分も周囲に対して犯罪者であると広めた罪で服役するというのが現在の「敵討ち」になります。
一方、現在では、「仇討ち」は、犯罪行為であり殺人なのでリスクがあるため恐らくですが殺人を犯すという「仇討ち」はよほどのことがない限り起こらないでしょう。