この記事では、「ビーフカツ」と「ロースカツ」と「メンチカツ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ビーフカツ」とは?
「ビーフカツ」は厚さ1cmくらいの牛肉に小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げたカツレツのことです。
「ビフカツ」「牛カツ」とも呼ばれます。
カツレツは日本で最も親しまれている洋食のひとつで、明治時代に日本に入ってきた西洋料理「コートレット」が変化したものです。
そもそもコートレットとはスライスした仔牛の肉にパン粉などの衣をつけ、フライパンに少量の油をひいてソテーしたものですが、肉にパン粉などの衣を付けて大量の油で揚げたものが「カツレツ」として普及していきました。
「ビーフカツ」は、早くから異国文化が発達していた兵庫県を中心に関西の洋食屋で提供されていました。
しかし牛肉より豚肉のほうが安価なことから豚肉で作るカツレツの「トンカツ」が全国に普及していったのです。
兵庫県の郷土料理「ビフカツ」として地元で親しまれていましたが、2015年ころから「牛カツ」ブームが起こり、牛カツ専門店のチェーン店が全国に展開しています。
「ロースカツ」とは?
「ロースカツ」とは厚さ1cmくらいの豚ロース肉に小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて油で揚げたとんかつのことです。
とんかつは豚肉にパン粉などの衣をつけて揚げたカツレツの一種で、豚肉の部位「ロース」を使ったものが「ロースかつ」、「ヒレ」を使ったものは「ヒレかつ」と呼ばれます。
「ロースカツ」は赤身と脂のバランスが良く、豚肉の旨みが味わえます。
「ヒレかつ」は脂が少なく柔らかくてあっさりしています。
一般にとんかつといえばロースを使うことが多かったのですが、脂が少なくヘルシーなヒレかつが好まれるようになってから「ロースカツ」「ヒレカツ」と区別して呼ばれるようになっていきました。
「ロースカツ」をアレンジした料理にはかつ丼、カツカレーなどがあり、いずれも日本人に高い人気を誇っています。
「メンチカツ」とは
「メンチカツ」は、ひき肉で作って成形したタネにパン粉などの衣をつけて揚げた洋食料理のことです。
「メンチコロッケ」「ミンチカツ」とも呼ばれます。
「メンチカツ」は、ひき肉にみじん切りの玉ねぎ、塩コショウなどを加えて、コロッケのように小判型、楕円形などに成形してパン粉をつけて揚げて作ります。
名前の語源は諸説ありますが、明治時代に洋食屋が販売していた「ミンスミートカツレツ」が転じて「ミンチカツ」「メンチカツ」に変わっていったといわれます。
また、ミンチにパン粉をつけて揚げるカツレツ料理であることから「ミンチカツ」と呼ばれるようになったという説もあります。
「ビーフカツ」と「ロースカツ」と「メンチカツ」の違い
「ビーフカツ」「ロースカツ」「メンチカツ」は、日本で親しまれている肉を使った洋食料理ですが、素材、調理法が異なります。
「ビーフカツ」は牛肉にパン粉などの衣をつけて揚げた料理です。
「ロースかつ」は「ビーフカツ」と同じく調理法で作りますが、材料は牛肉ではなく豚ロースを使っている点に違いがあります。
「メンチカツ」はひき肉で作ったタネにパン粉などの衣をつけて揚げたもので、どちらかというとコロッケに近い料理です。
ひき肉を使っているところが「ビーフカツ」「ロースカツ」と異なります。
まとめ
「ビーフカツ」「ロースカツ」「メンチカツ」は、いずれも肉で作る「カツレツ」というところが共通していますが、特徴には違いがみられます。
よく知られている料理ですが、改めて違いを比べてみるのも興味深いでしょう。