日本には様々な理由で職についていなかったり、学校に行けていなかったりするひとが存在します。
そういった一般的な社会生活から離れて生きるひとたちは、それぞれの状況によって呼称されるものが変わってきます。
この記事では、「ニート」と「ひきこもり」と「フリーター」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ニート」とは?
ニート(NEET)とは『Not in Education, Employment or Training』の頭文字を取ったものです。
十五歳以上、三十四歳以下で、就学や就業をしておらず、かつ職業訓練なども受けていない、独身の若年無業者のことを指します。
仕事に就かない若年層が社会問題となったイギリスで生まれた言葉であり、2003年ごろから日本でも使われるようになりました。
働ける状態ではあっても自分の意思で就業していないひとのことを一般的に「ニート」と定義し、外的要因や病気、家庭の事情、専業主婦、専業主夫など、なんらかの理由があって働いたり学校に通えていないひとのことはニートとは言いません。
「ひきこもり」とは?
ひきこもりとは、仕事や学校に行けず家にこもりきりになってしまい、家族以外とほとんど交流の無いひとのことを指します。
日本の厚生労働省では、こうした状態が六か月以上続いた場合をひきこもりと定義としています。
家や部屋から一歩も出ない場合だけに限らず、広義の意味では自分の趣味に関する用事のときだけ家から出る場合のひともひきこもりに含まれます。
近年ではひきこもりの長期化および高齢化が問題となっており、こういったケースでは生活を高齢の親に頼りきりで当人が自立出来ていない場合が多いため、今後引ひきこもりの子の孤独死や親の死体遺棄が急増するだろうと言われています。
「フリーター」とは?
フリーターとは、正社員や正職員以外の就労雇用形態、例えば契約社員、契約職員、アルバイト、パートタイマーなどの非正規雇用で生計を立てているひとのことを指します。
中学校卒業、義務教育課程修了後の年齢十五歳から三十四歳の若者が対象となっており、学生は含まれません。
働く意思があれば現在就労していなくても「フリーター」と定義されます。
「ニート」と「ひきこもり」と「フリーター」の違い
ニートとフリーターの違いはそのひとに働く意思があるかどうかです。
仕事を探しておらず就職するつもりもないひとは「ニート」と呼ばれ、例え安定的な仕事に就いていなくても仕事をする意思があるなら「フリーター」と呼ばれます。
「ひきこもり」は家や部屋から出ることが出来ず、仕事に就いたり学校に通ったりすることが困難となっているひとのことを言います。
学校や職場でのいじめやトラウマなどひきこもりになる理由はひとそれぞれであり、社会とかかわりたくてもかかわれないと苦しんでいるひとも多く、ひきこもりと呼ばれる人々が外に出られるよう家族だけはなく社会全体で取り組んでいくことが大事です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
働きたくても働けないひと、自ら望んで働かないひと、やりたいことのために働く時間を短くするひとなど、無業者や非正規労働者にも様々な事情があります。
それぞれのライフワークにあった働き方を選択するのもひとつの道なのかもしれません。