この記事では、「ご要望」と「ご希望」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ご要望」とは?
相手に対して物事の実現を強く求めることです。
「ご」をつけて丁寧にしています。
つまり、この言葉を使う側が実現を強く求めているのではなく、この言葉を向けられている人が実現を強く求めることを指しています。
ある店のパンケーキが非常に人気だったとします。
このパンケーキはこの店でしか食べられません。
ここでしか食べられないものを食べるために、遠方から来る人もいます。
しかし、遠方から店に来るためには、交通費も時間もかかり大変です。
そのため、もっと身近なところで手に入れたいと望んでいる人たちがいました。
店側からすると、「もっと身近なところで手に入れたい」という「ご要望」を受けていることになります。
「お客様からご要望をいただいています」といった表現をします。
「ご要望」の使い方
強く何かを求めている相手を敬って使用する言葉です。
何かを求めているのは相手です。
自分が強く求めることには使用しません。
特にお客の求めを指して店や企業などが使用します。
「ご希望」とは?
こうなって欲しいと願うこと、これから先のことへの期待という意味です。
「ご」をつけて丁寧にしています。
こうなって欲しいと願ったり、期待をしたりしているのは、この言葉を使っている人ではなく、この言葉を向けられている人です。
車の試乗で説明をします。
あるお客が販売店で車を見ています。
気に入った車があり、乗ってみたいなと思いました。
この人は、車に乗るということについて、こうなって欲しいと願っています。
これはお客が「希望」する事柄です。
店員側からすれば、お客は大切な存在なので、お客がこうなって欲しいと思っていることを指して「ご希望」といいます。
「ご希望」の使い方
こうなって欲しいと願っている相手を敬って使用する言葉です。
願っているのは相手です。
自分が願っているという意味では使用しません。
特にお客が求めていることを指して店や企業などが使用します。
「ご要望」と「ご希望」の違い
前者は、相手に求めることです。
客と店についてだと、客側が店に要求をしている意味が含まれます。
「こうして欲しい」とお客から店に伝える場合があります。
後者は、こうなって欲しいという願いのことです。
前者に比べると求める度合いが強くありません。
「ご要望」の例文
・『ご要望の多い製品の生産量を増やす』
・『ご要望にできるだけお応えしたい』
・『ご要望を受けています』
・『お客様からのご要望に耳を傾ける』
「ご希望」の例文
・『ご希望にはお応えできません』
・『ご希望されるお客様が多くいらっしゃいます』
・『ご希望の場合はお申し付けください』
・『ご希望の方はこちらに必要事項をご記入ください』
まとめ
求めるという意味合いがある点が似ていますが、その度合いに違いがあります。