「提言」と「提案」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「提言」と「提案」の違い生活・教育

この記事では、「提言」「提案」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「提言」と「提案」の違い

「提言(ていげん)」「アイデアのレベルにまでは至らない意見・考え・知見などを出すこと」を意味していますが、「提案(ていあん)」「ある問題に対する解決案などのアイデアや具体的な考えを出すこと」を意味している違いがあります。

「提言」と比べると「提案」のほうが、「単純な意見・考えのレベルではなくて、ある程度まとまった内容のアイデア」を指示している点が異なっています。

また「提言」「当該の問題に直接関わっている当事者の意見ではなくて、専門家などの第三者の意見」を意味していますが、「提案」には「第三者の意見・感想」などの含意はありません。

「提言」と比べて「提案」の言葉は、「当該の問題に直接関係のある当事者の意見・考え」といった意味のニュアンスが強いのです。


「提言」と「提案」の使い方の違い

「提言」という言葉は、「ある議題・問題状況についての意見・考えを、第三者的なスタンスで出すこと」を意味して使う使い方になります。

「提言」と比較して「提案」のほうは、「ある議題・問題について、ある程度整理されていて実効性のありそうなアイデアを、当事者のスタンスで出すこと」の意味合いで使うという違いを指摘することができます。

また「提言」を出すのは「政府・地方自治体・企業(会社の部署)などの公的な相手やフォーマルな場面」が多くなりますが、「提案」のほうは「公的な組織も含めた一般的な相手やカジュアルなかしこまっていない場面」で使われるという違いも指摘できます。


「提言」と「提案」の英語表記の違い

「提言」の言葉を、英語を使って表現すると以下になります。

“suggest”……意見や考えていることを述べる。

自らの考えに言及する。

提言する。

“suggestion”……意見・考えを述べること、言及すること。

提言。

「提案」の表現を、英語を使用して表記すると以下になります。

“propose”……ある問題やテーマについての解決策・改善案などを含めたアイデアを出す。

提案する。

“proposal”……ある問題状況やテーマに対するアイデア(案)。

提案。

「提言」の意味

「提言(ていげん)」は、「あるテーマや問題に対する意見・考え・見識を出すこと」を意味しています。

「提言」という言葉は、「主に公的機関や企業・組織などに対して、一定の専門的見地から意見や考えを提示する」といった意味を持っています。

「提言」を行う主体は、「議題・問題にダイレクトに関与している当事者」ではなくて、「その問題についての一定以上の見識を持つ第三者(専門家・学者など)」になります。

「提言」の使い方

「提言」という言葉は、「公的な機関や企業組織・部署などに対して、第三者のスタンスから設定された議題についての意見・知見・考えを示すこと」を意味して使用することができます。

「提言」は、「ある程度のフォーマルな場面において、当事者ではなく第三者の立ち位置から専門家・学者・ステークホルダーなどが意見を提出すること」を指して使われる表現なのです。

「提言」を使った例文

・『新型コロナウイルスの蔓延をどうやって抑え込めば良いのか、医療専門家の提言を待っている状況です。』

・『学校のいじめ問題の解決策に寄せられた教育委員や先生の提言は机上の空論でした。』

・『政府に経済政策を提言する委員に選出されている経済学者は、通貨供給量を増やす金融緩和に賛成しています。』

・『識者から提言された内容を吟味してから対応策を発表する予定です。』

・『有識者は市場の規制緩和を提言しましたが、既得権益を持っている保守層が強く反発しています。』

「提言」の類語

「提言」の類語には、以下の言葉があります。

・『提唱(ていしょう)』……フォーマルな場で、自らの意見・考えなどを唱えて明らかにすること。

・『発議(はつぎ)』……フォーマルな会議・議会などにおいて、議案を出したり意見を言ったりすること。

・『方策(ほうさく)』……問題状況を打開して解決するための方法や対策、考え。

「提言」の対義語

「提言」「公的なある程度かしこまった場面で、意見などを出すこと」を意味している言葉であり、国語辞典などに記されている対義語はありません。

「提案」の意味

「提案(ていあん)」とは、「ある問題やテーマに対して、内容がまとまったアイデア(案)・議案・意見を出すこと」を意味しています。

「提案」の多くは、「第三者」ではなく「当事者」によって行われます。

「提案」という言葉には、「一般的な日常会話やカジュアルな場面において、議案・対応策などを含めたアイデアを出すこと」といった意味のニュアンスがあります。

「提案」の使い方

「提案」という表現は、「問題状況に関係している当事者が、アイデア・議案・対応策を出すこと」を意味して使うことができます。

「提案」の言葉は、「議題になっている事柄の当事者が、フォーマルな場面で公的機関・企業(部署)などに対してアイデア(案)・意見を出す」といったニュアンスで使うことができる使い方を持っているのです。

「提案」を使った例文

・『自社製品を購入してくれた一般ユーザーも楽しく参加することができる企画を会社に提案しました。』

・『彼女に必要以上にたくさんの洋服を買い集める無駄遣いをやめるように提案しました。』

・『私の提案が受け入れられれば、傾いた会社の経営状況を半年で立て直すことが可能です。』

・『メガネ屋の店員さんが、私の顔の輪郭や目つきに合うデザインのメガネを提案してくれました。』

・『ハードワーカーでいつも疲れている夫に、まとまった休暇を取ってストレス解消するように提案しました。』

「提案」の類語

「提案」の類語には、以下の言葉があります。

・『助言』『アドバイス』……相手の問題解決に役立つような言葉。

困っている人の助けになるような役立つ提案。

・『忠告(ちゅうこく)』……相手のためを思って、相手の短所・問題点を指摘して改善をうながすこと。

・『アイデア』……何かの役に立つような思いついた事柄・内容。

新しい要素がある発想・着想。

「提案」の対義語

「提案」「ある問題を改善したり解決したりするような内容を含むアイデアを出すこと」を意味している表現であり、国語辞典などで定義されている「提案」の対義語はありません。

まとめ

「提言」「提案」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「提言」「提案」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。