この記事では、「日本画」と「水彩画」の違いを分かりやすく説明していきます。
「日本画(にほんが)」とは?
「日本画」とは、「主に水墨画と彩色画に区分される日本の伝統的な絵画」を意味する言葉です。
「日本画」の技法や様式自体は奈良時代から平安時代のあいだに中国や朝鮮半島など大陸から海を渡って日本へ伝わりました。
なので、当初「日本画」は「大和絵」や「和画」の名で呼ばれていたようです。
その後、19世紀にヨーロッパから日本に入ってきた「油絵」を「洋画」や「西洋画」と呼び、旧来からの日本の様式で描かれた絵画を「日本画」と呼び区分けしていました。
つまり、「日本画」とは19世紀に成立した概念なのです。
したがって、室町時代の水墨画家として有名な「雪舟」や安土桃山時代の絵師として有名な「狩野永徳」など近代以前の画家に対して「日本画家」という言葉は用いられません。
「水彩画」とは?
「水彩画」とは、「水彩絵具で描かれた絵画」を意味する言葉です。
「水彩画」の起源を辿っていくと、旧石器時代にまで遡り、ヨーロッパの洞窟に描かれた絵が発祥とも言われています。
そして、14世紀のルネサンス期に現代の「水彩画」の技法的基礎ができあがりました。
18世紀になると「水彩画」はイギリスにおいて貴族の子女、特に女性にとっての教養の1つとして広く浸透していきます。
教養としての他、地勢や地形の記録画像や公共事業に関するイラストとしても「水彩画」は利用されていました。
そのため、考古学や地質学の探検の際には、発見の記録係として水彩画家が同行していたと云われています。
「日本画」と「水彩画」の違い
「日本画」は「日本の伝統的な絵画」のことを指し、19世紀に欧州からもたらされた「油絵」=「洋画」との区分けとして誕生した言葉です。
一方、「水彩画」は「水彩絵具で描かれた絵画」のことを指し、一説では旧石器時代より用いられていた絵画手法とも言われています。
まとめ
・「日本画」とは、「主に水墨画と彩色画に区分される日本の伝統的な絵画」を意味する言葉です。
・「水彩画」とは、「水彩絵具で描かれた絵画」を意味する言葉です。