土用の丑の日といえば「ウナギ」を食べるのが古くからの習慣です。
「ウナギ」は、蛇のように細長い体でぬるぬるしている印象がありますが、同じような魚に「アナゴ」がいます。
この記事では、「ウナギ」と「アナゴ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ウナギ」とは?
「ウナギ」とは、ウナギ目ウナギ科の細長い形状の魚で、食用として重宝されています。
漢字では「鰻」と表記され、タレをつけて焼いた蒲焼が有名です。
近年養殖技術が確立されて、いつでも入手できるようになりましたが、その産卵に関しては長年謎のままでした。
「アナゴ」とは?
「アナゴ」とは、ウナギ目アナゴ科の細長い形状の魚です。
漢字で「穴子」とも呼ばれるように、夜行性で昼間は砂に穴を掘ったり、岩の穴に隠れています。
アナゴ科に属するのは日本で食用にされているもの以外にもチンアナゴやシンジュアナゴなどたくさんの種類があります。
今では一年中食べることができますが、元々の旬は夏です。
「ウナギ」と「アナゴ」の違い
「ウナギ」と「アナゴ」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、ともにウナギ目に属する食用の魚であることは同じですが、決定的な違いがあります。
それは「海水魚」か「淡水魚」かの違いです。
多くの人が勘違いしていますが、「アナゴ」は一生を海の中で過ごす「海水魚」であり、「ウナギ」は海で産卵しますが、多くの時期を川や湖などの淡水で過ごす「淡水魚」あるいは「降河回遊魚」と呼ばれる種類なのです。
それ以外に見た目の大きな違いとしては「ウナギ」は下顎が前に出ていますが、「アナゴ」は上顎が前に出ています。
さらに体色も黒っぽい「ウナギ」に対して「アナゴ」は茶色や紫に近い色です。
まとめ
土用の丑の日は考えてみればかなり特殊な言い方です。
土用は季節の変わり目のことで、丑の日は十二支の2番目の日という意味です。
年毎に当てはめられた十二支は一般的に会話に出てきますが、日にちに当てはめられた十二支が出てくるのはこの言葉くらいです。
その大きな理由は「ウナギ」を食べるのが今でも一般的ではないからでしょう。
一年に何回かしかない土用の丑の日くらいは普段食べない「ウナギ」を食べて季節の変わり目を乗り切ろうという気持ちが込められているのでしょう。