「提言」と「要望」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「提言」と「要望」の違い生活・教育

この記事では、「提言」「要望」の違いを分かりやすく説明していきます。

「提言」と「要望」の違い

「提言」「要望」の違いについて紹介します。


「提言」と「要望」の使い方の違い

「提言」は、「自分の考えや意見を、大勢の前で述べること」に使われます。

あるものごとに対して、当事者ではなく第三者が意見や考えを述べることを言います。

「要望」は、「あるものごとが実現する様に、強く願い求めること」に使われます。

当事者が「こうしてほしい」と思っていることを相手に伝えることを言います。


「提言」と「要望」の英語表記の違い

「提言」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「suggest」「提案する」「提言する」という意味、名詞形は「suggestion」になります。

“She suggested to have a meeting for the operational improvement.”
(彼女は業務改善について会議を開く様に提言した)
“This is a policy proposal so we cannot deny.”
(これは政策提言であり、我々は拒否できない)
「要望」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「request」で、正式な「依頼」「要請」「要望」という意味であり、「リクエスト」と日本語にもなっています。

“I have to answe to my friend’s request.”
(友人の要望に応えなくてはならない)
2つ目は「demand」で、「強く求める」「要求」「要望」という意味であり、「デマンド」と日本語にもなっています。

“The customer demanded us the big discount.”
(顧客が我々に多大な割引を要望した)

「提言」の意味

「提言」「ていげん」と読みます。

意味は「自分の考えや意見を人前に出すこと」です。

当事者に対して、第三者の立場として、大勢の前で自分の意見や考えを述べることを言います。

「提」「さげる」「さしだす」という意味、「言」「話す」「言葉」という意味、「提言」「自分の言葉を差し出す」という意味になります。

単に雑談レベルで話すのではなく、きちんとした会合や議会、インタビューなどにおいて、「自分はこう思う」と大勢の人に向かって発言することを言います。

「提言」の使い方

「提言」は、「自分の考えや意見を大勢の前で述べること」に使われます。

「提言する・した」「提言を受ける・受けた」などと動詞を伴って使われたり、「提言して」と副詞として使われたりします。

当事者とは同等、或いは上の立場にいる第三者が「こうしたら良いのではないか」などと、持論を述べる時の表現です。

議会や会合など、形式ばった場で使われることから、日常会話で使われることはあまりありません。

「提言」を使った例文

・『政府は医療関係者からの提言をしっかり聞き入れる必要がある』
・『各分野の専門家が集まり、議論した上で政府に提言を行う』
・『様々な問題について、本日会長から提言を受けました』
・『品質管理部門から、チェック体制を強化する様に提言された』
・『顧客満足度を挙げる為に、積極的に外部からの提言を受け入れる』

「提言」の類語

「提案(ていあん)」
「議案や意見を提出すること」という意味です。

「会議で新しいプロジェクトのアイデアについて提案したいと思っている」などと使われます。

「申し入れ(もうしいれ)」
「希望や意見などを正式に相手に伝えること」という意味です。

「サプリメントの定期購入の解約申し入れをする」などと使われます。

「提言」の対義語

「撤回(てっかい)」
「いったん提出・発言したものなどを取り下げること」という意味です。

「政治家は無責任なことを言っても撤回すればいいと思っている」などと使われます。

「要望」の意味

「要望」「ようぼう」読みます。

意味は「あるものごとについて実現を強く願い求めること」です。

自分、または組織が、「こうして欲しい」と思うことを相手に述べることを言います。

「要」「かなめ」とも読み、「ものごとの最も重要な部分」「必要であること」という意味、「望」「のぞみ」とも読み、「望んでいる様子」「願っている様子」という意味、「要望」で、「あるものごとが必要であると強く願い望むこと」になります。

「要望」も、雑談レベルではなく、きちんとした経路で相手に願い出る時に使われます。

「要望」の使い方

「要望」は、「ものごとを実現してほしいと強く願い求めること」に使われます。

「要望する・した」「要望を出す・出した」と動詞を伴って使われたり、「要望して」と副詞として使われたりします。

「要望」は、当事者が相手に対して「こうして欲しい」と願い求めることですが、中には代理人を通して伝えられることもあります。

組織や団体などに正式に相手に意思表示する事ですが、日常でも個人的に使うことの多い言葉です。

「要望」を使った例文

・『子供の通学路が危険なので、市役所に対して歩道の整備を要望した』
・『お店に対してもう少しBGMを小さくする様に要望を出しておいた』
・『お客様からのご要望にお応えして、テイクアウトを始めました』
・『要望の多かったキャッシュレス決済を導入することにした』
・『残念ながら今回はご要望にお応えできません』

「要望」の類語

「依頼(いらい)」
「ある特定のものごとを頼んでやって貰う様にまかせること」という意味です。

「上司に結婚式のスピーチを依頼して快諾して貰った」などと使われます。

「申請(しんせい)」
「特に国や公共機関などに対して認可・許可や、希望することなどを求めること」という意味です。

「市町村に対して就学支援金の申請をした」などと使われます。

「要望」の対義語

「実現(じつげん)」「自分の夢や計画・期待しているものごとなどが現実になること」という意味です。

「夢の実現に向けて努力を続けていきたい」などと使われます。

まとめ

今回は「提言」「要望」について紹介しました。

「提言」「自分の考えや意見を、大勢の前で述べること」「要望」「あるものごとが実現する様に、強く願い求めること」と覚えておきましょう。