「注意」と「留意」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「注意」と「留意」の違い生活・教育

この記事では、「注意」「留意」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「注意」と「留意」の違い

「注意」「留意」は、どちらも何かに気をつけたり気を配ったりする時に使う言葉です。

「横断歩道をわたる時には注意して」「間違えないように注意する」「注意力が足りなかった」などのように「注意」は日常茶飯事耳にする言葉です。

しかし「留意」の方はそれほど使用頻度が高い言葉ではありません。

「この件に関してご留意願います」「留意できております」などかしこまったシーンやビジネスシーンで耳にしますが、家族や友達同士ではほとんど使用する事がない言葉です。

「注意」「留意」の大きな違いは、プライベートかビジネスで使うかどうかでしょう。

またリスクに対する緊張感にも違いがあります。

「注意」は、リスクに対して用心するという意味があります。

「波が高いので注意してください」は、波にのまれて溺れる危険があるので気をつけるべきだと、リスクに対する緊張感が伝わります。

しかし「波が高いので留意願います」では、ただ状況を把握しておいてください程度で、リスクに対する緊張感はそれほど伝わってきません。


「注意」と「留意」の使い方の違い

「注意」「留意」はどちらも、「注意する」「留意する」「する」と一緒に表現できます。

しかし「注意を払う」「注意を引く」「注意を配る」「注意」には色々な表現の仕方がある一方で、「留意」「留意を願う」くらいです。

また「不注意」はありますが「不留意」はありません。

このように日常茶飯事に使われている「注意」は使い方にバラエティがありますが、使用頻度が少ない「留意」は、同じような言い回ししかありません。


「注意」と「留意」の英語表記の違い

「注意」を英語で表現する時には「attention」「caution」「warning」「advice」「reagard」「being carful」などを使用します。

「留意」も注意と同じような英語を使用できますが、「please note/ Note that」「please keep in mind」と使われるのが一般的です。

「注意」の意味

「注意」は(ちゅうい)と読みます。

日常茶飯事に使われている言葉でもう少し簡単な表現にすると「気をつけて」「気を配って」「用心して」になります。

親が子供に対してよく使う言葉で「車に注意して」「忘れ物がないか注意して」は誰もが耳にします。

これは子供が危険な目に合わないように、忘れ物で困らないようにと心配する親心を感じられるセリフです。

また仕事などでも「ミスがないように注意してくれ」「顧客に失礼がないように注意する」なども使われます。

このような場合には「警告」に近いニュアンスになります。

「注意」の使い方

「注意」「注意する」「注意を向ける」「注意を注ぐ」「注意を引く」など「する」「向ける」「注ぐ」「引く」などの動詞と一緒に使用します。

また注意ができていない状態を「注意散漫」「不注意」「注意不足」と表現します。

「注意」を使った例文

・『雨の日は道が滑りやすいので、車の運転には十分注意してください』
・『先生から問題を注意して読みなさいと言われたのに、それを無視して大失敗した』
・『ここで失敗したのは、やはり自分の注意が足りなかったからだと思います』
・『注意して観察してみると、オスとメスの違いがわかります』

「注意」の類語

「注意」と同じような意味を持つ言葉には、「用心」「注目」「配慮」「マーク」「警戒」「忠告」などがあります。

「車に注意して」「車に用心して/配慮して」と、「注意して観察して」「注目して観察して」と言い換えられます。

「警戒」は、もう少し緊迫度が高い時に使用します。

「注意」の対義語

「注意」の対義語は「油断」になります。

「油断しているすきに荷物を盗まれた」「大丈だと思って油断していたら、大変なことになった」など、注意不足でトラブルが発生した時使用します。

また注意を怠るとの意味なら「不注意」「注意」の対義語です。

「留意」の意味

「留意」は(りゅうい)と読みます。

この言葉はプライベートな日常生活ではあまり耳にすることはありません。

ほとんどはビジネスレベルで使われることが多い言葉です。

意味は「あることに心を留めること」になります。

簡単に言い換えれば「気にかける」「覚えて置く」「念に置く」です。

「留意」の使い方

相手に何かを気にかけてもらい時に「ご留意お願いいたします」とお願いするかたちで使用されることが少なくありません。

また手紙などでも相手に「健康に気をつけてください」という旨を伝える時に「健康にご留意ください」と書きます。

「留意」を使った例文

・『その件に関しては、十分に留意いたしました』
・『この度はご留意くださいまして、本当に感謝しております』
・『留意点をご確認の上、こちらの書類にご記入ください』
・『その件に関しては留意して準備いたしますので、どうぞご安心ください』

「留意」の類語

「留意」の類語には「考慮」「配慮」「注意」などがあります。

「この件に関して留意してくれたまえ」「この件に関して配慮してくれ」と同じようなニュアンスがあります。

また「しっかりと意にとめておきます」のように「意にとめる」と表現することもできます。

「留意」の対義語

「留意」の対義語には「失念」があります。

うっかり忘れてしまったことを意味する言葉ですが、こちらもビジネスシーンで耳にする言葉です。

他には「油断」も反対の意味を持つ言葉です。

何れにしても、ビジネスシーンにおいて両方とも良くない意味を持つ言葉です。

まとめ

「注意」「留意」は同じようなニュアンスを持つ言葉ですが、「留意」の方はプライベートな会話にはほとんど登場しない言葉です。

しかしビジネスシーンでは大切な言葉ですので、社会人ならきちんと使えるようにしておきたい言葉です。

「気をつけます」より「留意します」と表現する方が、ビジネスマンとしてワンランク上の印象を相手に与えます。