「専従」と「専任」と「兼任」の違いとは?分かりやすく解釈

「専従」と「専任」と「兼任」の違いとは?生活・教育

医療において、「専従」「専任」「兼任」という言葉がよく用いられます。

専門に特化した「専従医師」や、リハビリの仕事に専従する介護従事者や、看護師の「夜勤専従」等に使われる「専従」の言葉ですが、似た言葉に「専任」があり、対義語に「兼任」があります。

それぞれどのような意味を持つか分かりやすく説明していきます。

「専従」とは?

その仕事のみに専門して従事することです。

「専従」に似た意味の「専任」がありますが、「専任」はその仕事に支障が出ないなら他の仕事も少しならしても良いとされています。

小さい病院で手が回らない状態なら「専任」は仕方ないこととされています。

それに対して「専従」は、他の仕事が忙しかろうと、手伝わないで自分の仕事のみに携わることです。


「専従」の例文

・『大病院と違い、小さい病院では、専従医師の制限を設けると業務に支障が出ることがある』
大病院の医師は自分の分野に専従して臨床することができますが、小さい病院では複数の業務を兼任して仕事に当たるお医者さんが多いです。

・『夜勤専従として働く看護師は、給料は高くなるが、昼夜逆転の為、体調を崩しやすくなる』
看護師に限らず夜勤で働く方は、自律神経の乱れに気をつけながら、就業したいものです。


「専任」とは?

「専任」とは、主に他の仕事に携わらず、自分の専門的な仕事のみに打ちこむことです。

ただし自分の仕事がきちんと出来ているなら、他の仕事も少しはしても良いとされています。

「専任」の例文

・『進路について、自分は専任講師を目指している』
「専任講師」は、正規職員とされていますが、「常勤講師」は非正規であり、契約期間ごとの更新が必要とされています。

・『専任で英語の翻訳をしてくれる人を募集している』
英語以外の言語は頼むことなく、英語の翻訳のみお願いしたい時、このように言います。

「兼任」とは?

「兼任」は、掛け持ちで仕事などに取り組むことを言います。

「専従」「専任」はどちらも、それだけをやるという意味でなので、「兼任」の対義語と言えます。

「兼任」の例文

・『あの選手は、来季から選手とコーチの兼任をするようだ』
スポーツでは、現役選手が指導者の役割を兼任することで、活動中の選手の生の感覚を、若手に教えることができ、利点とされています。

・『彼はあの映画の主演だったが、演出も兼任している』
制作側と出演を兼任する、感性豊かで多才なアーティストも多く存在します。

「専従」と「専任」と「兼任」の違い

「専従」「専任」は、その仕事のみに専念することで、ここまでは同じ意味ですが、「専任」は主な仕事に支障が出ないのなら他の仕事を軽くやる程度であれば「専任」の範囲内とされています。

「専従」は手持ち無沙汰でも他の仕事の手伝いはしないものとされています。

「兼任」は、上の2つの言葉と違い、仕事や任務を掛け持ちで行うことです。

まとめ

「専従」と、「専任」は意味が似ていますが、調べると違うことが分かるので、意味の違いを認識して間違えないように言葉を使い分けていきたいです。