「速やかに」と「直ちに」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「速やかに」と「直ちに」の違い生活・教育

この記事では、「速やかに」「直ちに」の違いを分かりやすく説明していきます。

「速やかに」と「直ちに」の違い

「速やかに」「直ちに」の違いについて紹介します。


「速やかに」と「直ちに」の使い方の違い

「速やかに」は、「できるだけ早くの意味」に使われます。

ものごとの進行をとにかく早めて、可能な限り時間を置かない様にすることを言います。

「直ちに」は、「少しも時間を置かずに今すぐの意味」に使われます。

それが起きたと同時に、とにかくすぐにすることを言います。


「速やかに」と「直ちに」の英語表記の違い

「速やかに」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「quickly」で、「素早く」「速やかに」という意味であり、「quick」「クィック」と日本語にもなっています。

“Please move quickly.”
(速やかに移動してください)
2つ目は「as soon as possible」で、「可能な限りすぐに」という意味です。

ビジネス用語としてよく使われる熟語で「ASAP(アサップ)」と略して使うことが多くなります。

“Send me the detail as soon as possible.”
(速やかに詳細を送って下さい)
「直ちに」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「right now」で、「今すぐ」「ちょう今」「直ちに」という意味です。

現時点ですぐに行動する時に使われる表現です。

“You have to leave right now.”
(君はすぐに行くべきだ)
2つ目は「immediately」で、「すぐに」「即座に」「直ちに」という意味です。

時間的な猶予が全くない時に使われる表現です。

“You have to come back to office immediately.”
(直ちにオフィスに戻るべきだ)

「速やかに」の意味

「速やかに」「すみやかに」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「ものごとの進行を早くする様子」という意味で、ものごとがスムーズに流れる様子を言います。

2つ目は「時間をおかずにすぐにする様子」という意味で、やるべきことをすぐにやる様子を言います。

上記に共通しているのは、「出来る限り早くする」という意味です。

「速やかに」は、命令として使われるよりも、人に対して警告や訓示として使われることが多い言葉です。

「ものごとがスムーズに流れる様子」を重視した言葉で、何が何でも今すぐというよりは、「なるべく早く」というニュアンスがあります。

「速やかに」の使い方

「速やかに」は、「早くものごとを進行させる様子」「時間をおかずにすぐにする様子」に使われます。

「速やかに~する・した」と副詞として使われたり、「速やかな〇〇」と名詞を修飾して使われたり、「速やか」と名詞・形容動詞として使われたりします。

基本的に緊急性を要求する意味はなく、条例などで「速やかに」とされていても、守らなかったところで特に罰則などは設けられていないことが多くなります。

下で紹介する「直ちに」よりは緊急度が低い表現です。

「速やかに」を使った例文

・『この手当の対象となる社員は速やかに届け出て下さい』
・『この件に関しては速やかに対応していく必要がある』
・『準備ができた人から速やかに移動して下さい』
・『この場所は立ち入り禁止区域ですので、速やかに立ち退いて下さい』
・『故障が見つかった場合には速やかに修理致します』

「速やかに」の類語

「早急に(そうきゅうに・さっきゅうに)」
「とにかく早く対応しなければならないこと」という意味です。

「早急にこのことを取引先に連絡する必要がある」などと使われます。

「一刻も早く(いっこくもはやく)」
「時間をおかずにとにかくすぐに」という意味です。

「ここで悩んでいるよりは一刻も早く上司に報告した方がいい」などと使われます。

「速やかに」の対義語

「ゆっくりと」
「動作が遅く、急がない様子」という意味です。

「彼はゆっくりと立ち上がり、コーヒーを取りに行った」などと使われます。

「直ちに」の意味

「直ちに」「ただちに」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「少しも時間を置かず、その場ですぐに」という意味で、何かが起きたり、言われたりした後少しも遅れずに行動したり、起きたりすることを言います。

2つ目は「直接、じかに」という意味で、何かした時にそれがすぐに影響することを言います。

「直ちに」は緊急度が高い言葉で、命令する時に使われることが多くなります。

条文に使われる場合は即効性が高いことが多くなります。

「直ちに」の使い方

「直ちに」は、「その場ですぐにの意味」「直接にという意味」に使われます。

「直ちに~する・した」と副詞として使われることが多くなります。

理由を問わず遅れることが許されない時に使われる言葉で、「速やかに」より重要度が高い言葉です。

「直ちに」を使った例文

・『次の種目に参加する人は直ちに正門前に集合して下さい』
・『オフィスに戻り次第、直ちに対処させて頂きます』
・『荷物が届いたら、直ちに中を確認して欲しい』
・『パルスオキシメーターの数値が90を切ったら直ちに救急車を呼ぶべきだ』
・『この場所に駐車している車両は直ちに移動して下さい』

「直ちに」の類語

「即刻(そっこく)」
「少しの猶予も許さず、すぐその時」という意味です。

「次に同じ失敗をしたら即刻クビにするから覚悟しろ」などと使われます。

「立ち所に(たちどころに)」
「今立っている場所から動かない状態で」から転じて「時を移さずその場ですぐに実現する様子」という意味です。

「パソコン操作の問題ならば、彼女がいれば立ち所に解決するだろう」などと使われます。

「直ちに」の対義語

「徐に(おもむろに)」
「落ち着いてゆっくり行動する様子」という意味です。

「いきなり、不意に」という意味で使う人もいますが、間違いです。

「彼は徐に起き上がり、大あくびをした」などと使われます。

まとめ

今回は「速やかに」「直ちに」について紹介しました。

「速やかに」「出来るだけ早く」「直ちに」「少しも時間を置かずに」と覚えておきましょう。