この記事では、「早速」と「早々」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「早速」と「早々」の違い
「早速」と「早々」はどちらも早さを意味します。
互いに大きな違いはなく、誰に対して使用するかという違いが大きな違いとなります。
「早速」を用いる対象は、自分自身、自分と同等程度の人、自分より目下の人、自分より目上の人、と誰に対しても使用することが可能です。
そのため、使う相手を気にすることなく、急いでほしい時などに用いることができる言葉となります。
一方、「早々」の場合、使用対象に自分より目上の人は含まれません。
「早々」は、自分自身だけに使用するほうが安心です。
自分よりも目上の人に使うことができないだけではなく、自分自身よりも目下の人の場合でも、「早々」を用いれば、不快感を与えてしまうかもしれません。
意味は、ほぼ同じの「早速」と「早々」。
同じ意味でありながら、使用する相手によって的確な使い分けが必要だという言葉だということがわかります。
「早速」と「早々」の使い方の違い
同じ意味でも相手によって使い分けが必要な「早速」と「早々」。
まず、「早速」の場合、自分自身のことについて使用する場合は、「人気の商品が販売されたので、早速購入した」を例にすると、「自分自身が急いで何か行動した」といった使い方が一般的だということがわかります。
また、使用対象が目上の人の場合は、「早速、ありがとうございます」といったような使い方が行われます。
そのほか、何か意味があるわけではなく使用することも多い「早速」。
「早速ですが…」といった形で会話の中に入ることも少なくありません。
「早々」においては、自分自身の行動のみ使用することとなるため、「起きて早々」のように、自分自身が急いで何かを行ったという意味のみ使用することができる言葉となります。
「早速」と「早々」の英語表記の違い
「早速」の英語は、at once、immediately、right away、straightaway、《口語》 straight offといくつかあります。
「早速○○する」は、lose no time in doing
「早速の連絡ありがとうございます」は、Thank you for promptly contacting me. と表します。
「早々」の英語は、fast、ahead of time、too soon、early、early、early on、readily、promptly、pronto、right awayとこちらも数多くの英語表記があります。
「新年早々」は、early in the New Year
「明朝早々出発致します」は、I start bright and early tomorrow morning. です。
「早速」の意味
急ぐ、すぐ、ただちに、を意味する「早速」。
誰に対しても使用することができる言葉となり便利な言葉となります。
自分はもちろん、目下の人に、急ぐ、急がせる、場合、「すぐに、○○する、○○してください」と伝えた場合、少し強い言い方に感じてしまうことがあります。
その場合、同じ急ぐという意味を持つ「早速」を使用することで、少し丸まった印象で相手に伝えることが可能です。
特に、そのことは目上の人に対しても言えることで、「早速、お願い致します」と伝えれば、丁寧な言い方で目上の人に対して、急いでほしいという気持ちを伝えることができます。
「早速」の使い方
誰に対しても使用することができる「早速」。
そのため、使用する相手を気にすることなく気軽に用いることができます。
また、「早速」の場合、会話の始まりに用いられることもあり、その際、特に深い意味などはなく使用されています。
例えば、「早速、本題に入りますが…」といったような使い方が行われます。
「早速」を使った例文
・『友人が結婚すると知り、早速、お祝いのメールを送った。』
・『先生、早速ですが1つお聞きしてもいいですか。』
・『掃除したばかりなのに、早速、子供がジュースをこぼしてしまった。』
・『早速、お返事頂きありがとうございます。』
「早速」の類語
「早速」の類語には、同じように急ぐことを意味する、「さっさと」、「ただちに」、などがあります。
「早速」の対義語
「早速」には、明確な対義語はありません。
「早々」の意味
すぐ、急いで、まもなく、さっさと、いった意味を持つ「早々」。
この「早々」の場合、注意が必要で、「早々」を使用する対象は、自分自身が基本となり、自分と同じ立場の人、目下の人に対しても使用することはできるものの、自分より目上の人に対して使用することはできません。
この点が重要なポイントです。
この点は注意が必要となるため、相手の立場に迷った際は、できるだけ「早々」は選ばないほうが賢明です。
「早々」の使い方
決して、「早々」は、目上の人に対して使用することはできません。
そのため、使用する相手に注意し使用することが大切です。
そのため、迷った際には、「早速」を選んだほうが安心です。
使い方としては、「疲れたので早々に寝ることにした」など自分自身の行動の早さに使用することとなります。
「早々」を使った例文
・『人気商品は、発売早々、品薄になることが多い。』
・『来月早々には、そちらに行くことができそうです。』
・『目覚めて早々、足の痛みを感じました。』
・『入社早々、大きな失敗をしてしまった。』
「早々」の類語
「早々」の類語は、「取り急ぎ」、「早急」、「至急」、「速やかに」、「直ちに」などがあります。
「早々」の対義語
「早々」には明確な対義語はありません。
まとめ
「早速」と「早々」において重要なのは、誰に対して使用するのかということになります。
急ぐ、すぐに、とほぼ同じ意味を持つため、意味としての細かな使い分けは必要ありません。
「早速」と「早々」は、意味の違いで使い分けるのではなく、誰に対して使う言葉になるのか。
「早速」は、相手を気にすることなく用いることができ、「早々」は、基本的に自分自身。
また、自分と同等の人や目下の人にしか使用することができないということを踏まえ使い分けが必要です。