この記事では、「接待」と「接客」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「接待」と「接客」の違い
「接待」とは、飲食物などによって客をもてなすことです。
「接客」とは、客の相手をすることです。
どちらも客と関係のある言葉ですが、どのように客とかかわるのかという点で意味が異なります。
「接待」は、客をもてなすことですが、もてなす際に主に飲食物を用います。
企業が行う「接待」の場合は、ゴルフを行うこともあります。
風俗営業でも「接待」が行われており、ここでも飲食物が用いられています。
また、風俗営業の場合は踊り、歌唱、遊戯などでもてなすこともあります。
「接客」の場合は、訪れた人に適切な対応をとってもてなすことです。
営業を行っている店に客がやって来て、店員がその客の相手をするようなことをいいます。
飲食店のことで考えてみます。
ある企業の人、ここではAさんとします、とその企業と取引をしている別の企業の人、ここではBさんとします、がある飲食店にやってきました。
AさんはBさんに酌をする、飲食を勧める、飲食代を出すなどしました。
これはAさんがBさんをもてなしているということができます。
Bさんによい気分になってもらおうとしています。
Aさんにとっては、取引先のBさんは客です。
このように客をもてなすことが「接待」です。
ある飲食店に客がやってきました。
店員は客を席に案内し、希望の料理を聞き、料理ができたらテーブルに運びます。
このように客の相手をすることが「接客」です。
「接待」と「接客」の使い方の違い
客をもてなすことについて「接待」を使用します。
もてなす方法には、飲食、ゴルフ、歌唱などがあります。
客に適切な対応をすることについて「接客」を使用します。
飲食店やゴルフ場などに限りません。
「接待」と「接客」の英語表記の違い
「接待」は英語で“reception”や“entertainment”と表現をします。
「接客」は英語で“wait on customers”や“customer service”と表現をします。
「接待」の意味
「接待」には、客を待遇することという意味があります。
企業の場合は、契約をとるためなどの目的で「接待」が行われることがあります。
ある企業の人が、取引をしたい企業、あるいは取引をしている企業の担当者に対して、もてなしをします。
飲食やサービスを提供して、相手を喜ばせ、契約をとろうという考えです。
ゴルフによって「接待」をする場合は、「接待」する側が「接待」を受ける側に対して、ゴルフ場の手配をする、送り迎えをする、飲食を提供するなど行います。
飲食店で「接待」をすることもあります。
この場合、料理の料金が安い飲食店ではなく、高級な飲食を提供する店で「接待」が行われることが少なくありません。
高級な飲食でもてなし、相手を喜ばせようという考えです。
飲食代は「接待」する側が出します。
日本では政治家は寄附を受けることが禁止されています。
飲食物の差し入れは寄附にあたります。
風俗営業でも「接待」が行われています。
風俗営業の接待には、お酌、ダンス・ショウ、歌唱、遊戯などがあります。
「接待」の使い方
客を待遇することについて使用をします。
飲食を用いて客を待遇することを指す場合が多いですが、飲食以外の方法の「接待」もあります。
相手を喜ばすことが主な目的なので、相手に不快な思いをさせるようなことについては、「接待」といわないことが一般的です。
「接待」を使った例文
・『接待役を任せられた』
・『接待でよく使うお店』
・『接待をする機会が減った』
・『接待費を削減する』
「接待」の類語
「応対」「応接」が類語です。
「応対」には、相手の受け答えをするという意味があります。
「応接」には、訪れた人を招き入れて、その相手をするという意味があります。
「接待」の対義語
対義語はありません。
「接客」の意味
「接客」とは、客に対して適切な対応をすることです。
「接客」が意味する客とは、料金を払って商品を購入する、乗り物に乗るなどする人を指しています。
見せに来た客に対して「いらっしゃいませ」という、客が店から出るときに「ありがとうございました」という、などが「接客」です。
衣料品店の場合は、客が求めれば服を勧める、服に対してのアドバイスをするなども「接客」に含まれます。
飲食店では、客を席に案内する、注文をとる、料理を運ぶ、会計をするなどが「接客」です。
「接客」をする際には、あいさつが大切だといわれています。
店に来たのにあいさつがないと、客は不快な思いをすることがあります。
あいさつは、はっきりした声で行うことが望ましいです。
笑顔も大切だとされているものです。
客に対して怒ったような顔、不機嫌そうな顔をしていては、客に不快な思いをさせます。
また、「接客」する側が笑顔だと、店の雰囲気がよくなります。
言葉遣いは敬語が一般的です。
日本では「接客」をする際にタメ口は使いません。
これらは、客に対しての適切な対応ということができます。
心をこめて客の世話をすることが目的なので、不快にさせるようなことはしてはいけないとされています。
「接客」の使い方
客の相手をすることについて使用をします。
適当に相手をするのではなく、心を込めて相手をすることです。
客に不快な思いをさせないように、適切な対応をすることが「接客」です。
客とは物を購入したり、料金を支払って乗り物に乗ったりする人のことで、この人たちを相手にすることについて、「接客」を使用します。
「接客」を使った例文
・『カフェで接客をしている』
・『あの店員さんの接客は素晴らしい』
・『接客で忙しい』
・『笑顔を忘れずに接客をする』
「接客」の類語
「客あしらい」「人あしらい」「客扱い」が類語です。
「客あしらい」と「客扱い」は、客の相手をすることです。
「人あしらい」とは、人との対応のことです。
「接客」の対義語
対義語はありません。
まとめ
どちらも客に関係する言葉ですが、どのような目的で行われているのか、どのように相手をするのかといった点で意味が違います。