「衰退」と「減少」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「衰退」と「減少」の違い生活・教育

この記事では、「衰退」「減少」の違いを分かりやすく説明していきます。

「衰退」と「減少」の違い

「衰退」「減少」の違いについて紹介します。


「衰退」と「減少」の使い方の違い

「衰退」は、「人や物が弱まって、勢いがなくなりしぼんでいくこと」に使われます。

勢力が少しずつ弱まって行き、最終的にはなくなっていく様子を表します。

「減少」「数量がへること」に使われます。

それまであった数や量と比較して、少なくなった、または少なくなっていく様子を表します。


「衰退」と「減少」の英語表記の違い

「衰退」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「decline」で、「傾く」「衰退する」という意味です。

“I am afraid of decline of Japanese economy for the Covid-19 pandemic.”
(私はコロナ禍により日本経済が衰退することを懸念している)
2つ目は「wane」で、「減少する」「弱る」「衰退する」という意味です。

“Her popularity has waned.”
(彼女人気は衰退している\)
「減少」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「decrease」で、「低下する」「減少する」という意味です。

“The number of traffic accidents has decreased by 5 percent.”
(交通事故の件数が5パーセント減少した)
2つ目は「drop」で、「落ちる」「減少する」という意味です。

“Our profit has dropped 5 percent compared with last year’s.”
(我社の利益は去年より5パーセント減少した)

「衰退」の意味

「衰退」「すいたい」と読みます。

意味は、「勢いや活力が弱まり、次第にしぼんでいくこと」です。

それまでの状態と比較して、勢力や規模などが段々とおとろえていくことを言います。

人や物よりも、組織や文化、国家の情勢など規模が大きなものが弱まることに使われます。

「衰」「おとろえる」とも読み、「勢いがなくなること」「退」「しりぞく」とも読み「おとろえる」「弱まる」という意味、「衰退」「勢いがなくなり弱まること」という意味です。

「衰退」の使い方

「衰退」は、「組織や国家などの勢いや活力が弱まり、次第にしぼんでいくこと」に使われます。

「衰退する・した」と動詞を伴って使われたり、「衰退して」と副詞として使われたりします。

基本的に人や動物、物などはっきりと目に見えるものではなく、組織や社会情勢などの集大成で、規模が大きなものが次第に弱体化していくことに使われます。

あっという間におとろえるのではなく、少しずつ弱まって行くので一般的には分かりにくく、専門家などが分析して使うことが多くなります。

「衰退」を使った例文

・『ショッピングモールができたことにより、街の商店街が衰退していく』
・『この辺は賑やかな温泉街だったが、すっかり衰退してしまった』
・『鉄道の駅がなくなったことにより、街が衰退してしまった』
・『オタク文化が衰退しない様に買い支えていきたい』
・『コロナ禍によりエンターテインメント業界が衰退する恐れがある』

「衰退」の類語

「廃れる(すたれる)」
「使われなくなったり、行われなくなること」「勢いが盛んだったものがおとろえること」という意味です。

「あのホテルも観光客が減りすっかり廃れてしまった」などと使われます。

「凋落(ちょうらく)
「花や葉がしぼんで落ちること」「おちぶれること」「美しかった容貌などがおとろえること」「人間がおとろえて亡くなること」という意味です。

「豪邸を持っている資産家だったが凋落した」などと使われます。

「衰退」の対義語

「発展(はってん)」「ものごとの勢いなどがどんどん伸びて盛んになること」「ものごとがより進んだ段階に移っていくこと」という意味です。

「IT産業はこれからも益々発展していくと思われる」などと使われます。

「減少」の意味

「減少」「げんしょう」と読みます。

意味は、「数や量が、今までの状態よりも減って少なくなること」です。

数えられるものや、目で見て比較できるものが、今までよりも減ることを言います。

「減」「へること」「少」「すくない」という意味で、同じ意味の言葉を重ねて「減って少なくなる」と強調した言葉です。

急激に減る、ゆっくり減るなどの速度は問わず、客観的な事実を表しています。

「減少」の使い方

「減少」は、「数や量が、それまでよりも減って少なくなること」に使われます。

「減少する・した」と動詞を伴って使われたり、「減少して」と副詞として使われたりします。

また、「減少させる・させた」と他動詞とし使う場合「何らかの手を加えて減らす」という意味になります。

基本的に、前の状態と比較して使われることが多くなります。

「減少」を使った例文

・『コロナの感染者が減少する様にひたすら自粛を続ける』
・『ダイエットを始めたが全く体重が減少しない』
・『これ以上顧客が減少する様ならば閉店も考えなければならない』
・『スマホの普及で固定電話の契約数が一気に減少した』
・『観光地ではGWの人手が減少して嘆いているらしい』

「減少」の類語

「落ち込む(おちこむ)」
「落ちて中の方へ入ること」「ある部分だけへこんで低くなること」「成績や業績などが目立って下がり、悪い状態になること」「気持ちがめいること」という意味です。

「今年に入って売り上げがめっきり落ち込んでしまった」などと使われます。

「下り坂(くだりざか)」
「下りになる坂道」から転じて「ものごとの絶頂期が過ぎて、次第におとろえていくこと」という意味です。

「30歳を過ぎると気力も体力も下り坂になる」などと使われます。

「減少」の対義語

「増加(ぞうか)」
「数量がふえること、ふやすこと」という意味です。

「収入が増加してかなり暮らしが楽になった」などと使われます。

まとめ

今回は「衰退」「減少」について紹介しました。

「衰退」「おとろえて弱くなること」「減少」「数量が減ること」と覚えておきましょう。