「大きな」と「大きい」の違いとは?分かりやすく解釈

「大きな」と「大きい」の違い生活・教育

この記事では、「大きな」「大きい」の違いを分かりやすく説明していきます。

「大きな」とは?

「大きな」は,活用形のない連体詞です。

連体詞には、名詞や代名詞を修飾する、つまり、物の名前や事柄の様子を詳しく説明する働きがあります。

また、「大きな」と反対の意味の「小さな」も、同様の仕組みや働きを持っています。

例えば、「大きな山」「小さな石」という表現はよくありますが、「山、石」は名詞で、その名詞の様子を表現している「大きな、小さな」が連体詞です。


「大きい」とは?

「大きい」は、形容詞になります。

形容詞の特徴は、活用形という言葉の変化があることです。

活用形には「未然、連用、終止、連体、仮定、命令」がありますが、形容詞には「命令形」がありません。


「大きな」と「大きい」の違い

連体詞と形容詞には、名詞や代名詞の様子を詳しく表現する働きがあります。

ですから、「大きな」「大きい」は、同じニュアンスを持った言葉であることが分かります。

違いとしては、連体詞「大きな」は活用がなく、形容詞「大きい」には活用がある、ということです。

この“活用”があるかないかを調べるには、言葉の順序を変えてみるのも、ひとつの方法です。

例えば、「大きい魚」という言葉では、「魚が大きい」あるいは、「魚は大きかろう」のように、「大きい」様子を別の言い方でも表現できます。

一方で、「大きな魚」は、「魚は大きな」と入れ替えてしまうと、「魚は大きな口を開けた」のように、「大きな」が別の言葉の説明として働いてしまいます。

「大きな」の例文

「この街には、歴史ある大きな寺院が建っている」
この例文の「大きな」は、「寺院」の様子を表現しています。

試しに、「寺院が大きな」と入れ替えてみると、「大きな」「寺院」の様子を表現しなくなります。

ですから、この例文の「大きな」は、「連体詞」であることが分かります。

「今の、彼の言葉には、大きな意味がある」
「意味」という目に見えないものであっても、「大きな」とその様子を詳しく表現することが出来ます。

「意味が大きな」と入れ替えると、例文のニュアンスが変わってしまいます。

「大きい」の例文

「この街の、歴史ある寺院は大きい」
「寺院は大きい」という言い方は「大きい」が終止形という活用によって作られています。

また、「大きい寺院」と入れ替えた場合、寺院の様子を表現しています。

ですから、この例文の「大きい」は、形容詞であることが分かります。

「今の、彼の言葉の意味は大きかった」
「大きかった」「かっ(た)」という言い方は、「連用形」の活用になります。

「大きかった意味」と入れ替えても、「意味」の大きさを表現していることに変わりはありません。

ですから、この「大きかった」は形容詞と言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「大きな」「大きい」は、言葉の活用の有無に違いがあると分かりました。

このような、連体詞や形容詞、活用形といった仕組みや機能は、学校で教わったかと思いますが、改めて理解を深めていくと、普段何気なく使っている言葉の意味や使い方を、再確認できるでしょう。