「順調」と「堅調」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「順調」と「堅調」の違い生活・教育

この記事では、「順調」「堅調」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「順調」と「堅調」の違い

「順調」とは、物事が順序よく、滞りなく進むことです。

「堅調」には、2つの意味があります。

1つめは、危なそうなところがなく、具合がよいことです。

もう一つは、相場が少しずつ上がってくること、またそのさまです。

どちらの言葉にも、ようす、状態という意味を持つ漢字である「調」が使用されていますが、2つの言葉がそれぞれ持っている意味は異なります。

「順調」は、進行の状態を表している言葉です。

たとえば、毎月1万円の貯金をしようと考えたとします。

今月はちょっと難しくて、5000円だけしか貯金できなかったということはなく、計画通り毎月1万円貯金できています。

滞りなく進んでいます。

このように、問題もなく物事が進行することが「順調」です。

「堅調」は、堅実な調子のことです。

「堅実」とは、あぶなげがない確かなことを意味します。

「調子」は、進行の勢いや、動いているものの具合のことです。

確かであぶなげなく、具合がよい状態のことが「堅調」です。

堅実であるという点に重きが置かれており、「順調」とは異なり、順序よくという点は強調されていません。


「順調」と「堅調」の使い方の違い

問題がなくスムーズに進むことについて「順調」を使用します。

滞っているところがない状態です。

堅実な具合のことについてや、相場が上がっていくことについて「堅調」を使用します。


「順調」と「堅調」の英語表記の違い

「順調」は英語で“satisfactory”“favorable”と表現をします。

「堅調」は英語で、相場の意味では“firm tone”と表現をします。

「順調」の意味

「順調」とは、物事が順序よく、滞りなく進むことです。

「順」という漢字には、都合がよい、さしさわりがない、ことの次第という意味があります。

つまり、都合よく、問題なく進むことが「順調」なのです。

猫が目の病気になってしまったとします。

動物病院で診てもらったところ、目薬をつければ1か月ほどで治ると診断されました。

そこで、獣医師に指示に従って毎日目薬を点眼し、1か月ほど経ちました。

その間、病状が悪化することはなく、少しずつ回復していきました。

問題がなく、そうなるであろうという順序の通りに回復しています。

このように、問題がなく、順序よく、スムーズに進むことが「順調」です。

もしも、病気になった猫に目薬をつけても、病状が悪化したというようなことがあれば、それは「順調」ではありません。

妊娠のことで考えてみます。

お腹の中の胎児の成長の過程は、この時期にはどの部位ができはじめる、どの程度成長しているなど、あるていど決まっています。

妊娠初期、15週目ほどまでに胎児の神経ができてきます。

妊娠20週くらいになると、胎動を感じられるようになってきます。

妊娠40週目になると臨月で、いつ産まれてもおかしくない状態です。

このような順序で問題なく胎児が育っていれば「順調」といえます。

もしも、妊娠中期になっても神経ができていない、妊娠40週目になっても胎動を感じられないといった状態なら、何か問題がある可能性があり、「順調」ではありません。

「順調」の使い方

順序よく、問題なく、物事が進むことについて使用をします。

どこかに問題がでて、スムーズではないといった状態の場合は、使用しません。

順序が決まっている事務手続きや、方向性が決まっている物事について使用されることが多くあります。

住宅ローンを組むことは事務的な手続きで、妊娠は方向性が決まっている物事で、こういったことに使用されています。

「順調」を使った例文

・『順調に回復しているようだ』
・『順調ですという便りが届いて安心した』
・『学校生活は順調だ』
・『どうなるかとも思ったけれど、順調に進みました』

「順調」の類語

「快調」とは、気持ちよく、思うように物事が進むことです。

「好調」とは、よい状態で進むことです。

「順調」の対義語

「停滞」が対義語です。

とどまってしまって動かないことという意味があります。

「堅調」の意味

「堅調」には、2つの意味があります。

1つめは、堅実な調子のことです。

「堅」という漢字には、かたい、しっかりしている、たしかという意味があります。

つまり、「堅調」はしっかりしている調子、確かな調子という意味になります。

新商品を発売したときのことで考えてみます。

新商品は、売れるかもしれないし、売れないかもしれないし、実際に販売してみないとわかりません。

売れなかったら、堅実な調子とはいえないでしょう。

この商品が売れて、確実に売り上げを伸ばしているようなら、確かであぶなげないということができ、「堅調」だということができます。

ある商品を販売するのに一か八かだ、売れ行きが怪しいといった状態は「堅調」とはいえません。

もう一つの意味は、相場が少しずつ上昇することです。

一気に上昇することではなく、徐々に上昇することです。

また、ときどき降下をして、ときどき上昇するといった状態のことではありません。

確実に少しずつ上がっていくことが「堅調」です。

「堅調」の使い方

堅実な調子の意味では、経済に関係する場面で使われることが多くあります。

「売り上げが堅調に推移する」のような使い方です。

相場の意味では、経済に関係することや、株式に関係することに使われます。

どちらの意味でも、日常の会話で使用することは少ないです。

「堅調」を使った例文

・『売り上げは堅調です』
・『堅調であると報告している』
・『いまだに堅調だ』
・『三ツ星レストランが堅調だ』

「堅調」の類語

「堅実」が類語です。

手堅く確かなことという意味があります。

「堅調」の対義語

相場が少しずつ上がる意味の対義語は「軟調」です。

相場が落ちていく傾向のことです。

まとめ

どちらの言葉にも「調」という漢字が使用されていますが、その前に使われている漢字が「順」「堅」であり違い、漢字の意味が違うように言葉の意味も違います。