この記事では、「最低」と「最悪」の違いを分かりやすく説明していきます。
「最低」と「最悪」の違い
「最低」と「最悪」の違いについて紹介します。
「最低」と「最悪」の使い方の違い
「最低」は「度合いが測れるものに対して最も低いこと」「自分が主観的に良くないと思うもの」に使われます。
数値で表せるものや主観的な状況で最も低いことを表します。
「最悪」は、「客観的に見て最も悪いと思われうること」「若者言葉で良くない状態」に使われます。
一般的な判断で最も悪い、酷く悪いことや、軽いノリで嫌なことがあった場合まで幅広く表します。
「最低」と「最悪」の英語表記の違い
「最低」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「lowest」で、「数値が最も低い」という比較級です。
“This is the lowest score at the competition.”
(今回の競技において最も低い点数です)
因みに、人や状況に対して「最低」という時には「low」が使えます。
“That’s pretty low.”
(最低だ)
2つ目は「despicable」で、「下劣な」「最低な」という意味です。
“He is despicable!”
「彼はサイテー!」
「最悪」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「worst」で、「状況が最も悪い」という比較級です。
“It is a worst record of the a traffic death in a day.”
(1日の交通事故による死亡者の最悪記録だ)
因みに、人や状況に対しても使えます。
“It’s the worst.”
(最悪です)
2つ目は「suck」で、「最悪」というスラングです。
“It sucks.”
(最悪だ)
“You suck.”
(あんた最悪)
親しい人には冗談として使えますが、相手によってはトラブルになる可能性もあるので注意しましょう。
「最低」の意味
「最低」は「さいてい」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「高さや位置など、程度の数値が最も低いこと」という意味で、はっきりとした数字で表せたり、目で見て比較できるものの中で最も低いことを言います。
言葉としてはこちらが元の意味になります。
2つ目は上記から転じて「ものごとの状態が極めて好ましくなく、悲観的な気持になること」という意味で、若者言葉として「これは酷い」「嫌になる」ことを表します。
「最」は「もっとも」とも読み、「一番」という意味、「低」は「ひくい」とも読み「程度・価値などがひくい」という意味、「最低」で「程度や価値が一番ひくい」という意味です。
「最低」の使い方
「最低」は「程度を表す数値が最も低いこと」「ものごとの状態が非常に良くないこと」に使われます。
名詞・形容動詞として「最低だ・である」と使われたり、「最低な〇〇」と名詞を修飾して使われたりします。
特に若者言葉として、「サイテー」と使われることが多く、「酷い」「やってられない」など、軽いノリでネガティブな意味になります。
「最低」を使った例文
・『今朝の最低気温は全国軒並に氷点下となっています』
・『労働基準法では最低賃金が定められている』
・『人に会う時には最低限度のメイクとおしゃれはするべきだ』
・『仕事でミスして上司に怒られた上に彼氏にフラれてサイテーの一日だった』
・『彼は借金まみれの上に二股かけているという最低野郎だ』
「最低」の類語
・「どん底(どんぞこ)」
「いちばん下の底部分」「ものごとの最低の状態」という意味です。
「彼は努力を重ねて貧乏のどん底から這い上がった」などと使われます。
・「底辺(ていへん)」
「三角形で頂点に対する下の辺、図形の下側の辺」「組織などの基盤となったり、社会で下層部分の人のたとえ」という意味です。
「生活レベルに関しては底辺を見たらきりがない」などと使われます。
「最低」の対義語
・「最高(さいこう)」
「これいじょうなく程度が高いこと」という意味です。
「彼女は史上最高の競争率を突破して見事合格した才媛だ」などと使われます。
「最悪」の意味
「最悪」は「さいあく」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「客観的に判断される、ものごとの最も良くない状態」という意味で、他のものと比較したり、常識的に判断して「最も悪い」と思われることを言い、言葉の元の意味になります。
2つ目は上記から転じて、「主観的にものごとが極めて良くない状態で、悲観的な気持ちになること」という意味で、若者言葉として「これは酷い」「嫌になる」ことを表します。
こちらは「最低」とほぼ同じ意味になります。
「悪」は「わるい」とも読み、「正しくない」「美しくない」「品質が良くない」という意味、「最悪」で「一番良くない」という意味になります。
「最悪」の使い方
「最悪」は、「ものごとの最も良くない状態」「主観的に状態が非常に良くないこと」に使われます。
名詞・形容動詞として「最悪だ・である」と使われたり、「最悪な○○」と名詞を修飾して使われたりします。
若者言葉として「サイアク」と使われることも多く、軽いノリで作品名などに「最悪の~」と使われることもあります。
「最低」が「上下で考えて最も程度が低いこと」であるのに対して、「最悪」は、「良し悪しで判断して最も良くないこと」に使われるという違いがあります。
「最悪」を使った例文
・『レースは予想していた通り最悪の結果に終わった』
・『今回のトラブルは、すぐに行動した為に最悪の事態を免れた』
・『最悪の場合、新しい物に買い替える必要がありそうだ』
・『LINEでディスられて最悪の気分』
・『初戦の相手が去年の優勝候とは最悪の組み合わせだ』
「最悪」の類語
・「悪夢(あくむ)」
「恐ろしい夢」から転じて「夢だと思いたいほど恐ろしい現実のこと」という意味です。
「悪夢のような一日が始まった」などと使われます。
・「地獄(じごく)」
「生前罪を犯した人が行くという苦難に満ちた死後の世界」から転じて「生きているのが辛いと思うほど辛い現実」という意味です。
「鬼コーチから地獄の特訓を受けた」などと使われます。
「最悪」の対義語
・「最善(さいぜん)」
「最も良い状態のこと」という意味です。
「トラブル対応に最善を尽くします」などと使われます。
まとめ
今回は「最低」と「最悪」について紹介しました。
「最低」は「最も程度が低いこと」、「最悪」は「最も良くない状態」と覚えておきましょう。