この記事では、「語感」と「語呂」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「語感」と「語呂」の違い
「語感」には、2つの意味があります。
1つめは、言葉がたずさえている何ともいえない趣、言葉から感じる主観的なものです。
もう一つは、言葉から受ける心の働きです。
「語呂」にも、2つの意味があります。
1つめは、言葉や文章の続き具合のことです。
もう一つは、語呂合わせの略です。
どちらも言葉に関する言葉ですが、意味しているものは違います。
「語感」は言葉から受け取る響きのようなものです。
京都弁は、おっとりした印象だといわれています。
「~へん?」「~よか」などが柔らかい印象を与えます。
また、「おはようございます」というと堅苦しい印象を受けますが、京都弁では「おはようさん」といい、やや柔らかな印象を受けます。
これらは、言葉から感じる主観的な印象です。
何ともいえない趣のことを指しています。
「語呂」は言葉から感じる印象のことではなく、調子のことです。
リズム、音の強弱、言い回しなどのことを指しています。
柔らかい、固いなどの印象のことではありません。
「語感」と「語呂」の使い方の違い
言葉から受け取る主観的なものを指して「語感」といいます。
言葉や文章の調子のことを指して「語呂」を使用します。
「語感」と「語呂」の英語表記の違い
「語感」は英語で、主観的な印象の意味では“ nuance of a word”、言葉に対する感覚の意味では“keen sense of language”と表現をします。
「語呂」は英語で“wordplay”や“euphony”と表現をします。
「語感」の意味
「語感」には、2つの意味があります。
1つめは、言葉から受ける主観的な感じ、言葉の何ともいえない趣のことです。
「がちがち」という言葉から、どのような印象を受けるでしょうか。
固い、固まっているなどの印象を受けるかもしれません。
その他にも、強固だ、頑固だなど、人によっていろいろな印象を受けるはずです。
「ふにゃふにゃ」という言葉からは、柔らかい、もろいなどの印象を受けるかもしれません。
このように、言葉から受け取る感じが「語感」です。
「語感」は主観的なものなので、人によって感じるものが違います。
「がちがち」という同じ言葉であっても、固いという印象を受ける人もいれば、頑固という印象を受ける人もいます。
何を感じるかは人それぞれで、言葉から受ける印象に正解、間違いはありません。
ひとつの言葉から、さまざまな印象を受け取ることができます。
もう一つの意味は、言葉に対する感覚のことです。
言葉のセンスのようなものです。
「語感」の使い方
言葉から受ける印象のことについて使用します。
日本語、英語、フランス語、スペイン語など、さまざまな言語がありますが、どのような言語であっても、ある言葉から受ける印象のことは「語感」といえます。
「語感」は主観的なものなので、人によって受ける印象が違います。
同じ言葉から受ける印象が違っても、「語感」ということができます。
日本語には、数多くの言葉が存在しており、言葉から受ける印象は、ある言葉によって違います。
どのような言葉に対しても印象を持つことはできるので、いろいろな言葉に対して「語感」という言葉を使うことができます。
「語感」を使った例文
・『語感が気に入っている』
・『語感がよいと思う』
・『きびきびとした語感だ』
・『軽いタッチの語感だ』
「語感」の類語
「語呂」が類語です。
「語感」の対義語
対義語はありません。
「語呂」の意味
「語呂」には、2つの意味があります。
1つめは、言葉や文章の続き具合、調子のことです。
言葉の表現の具合のことやリズムのことを意味しています。
「あのね、このね」という言葉は、口に出して言いやすいと思いますが、「あのね、そうか」は、「あのね、こののね」よりも口に出して言いにくいと思います。
リズムが悪いのです。
「赤坂サカス」という場所があります。
この言葉もリズムがよく、いいやすいのではないでしょうか。
「アカサカ」という音と「サカス」という音が似ており、リズムよく感じられます。
こういった言葉や文章のリズム、言い回しのことを「語呂」といいます。
もう一つの意味は、語呂合わせの略です。
語呂合わせとは、ことわざや成句を口に出したときの調子や口から発する音を似せて、意味の異なる句を作ること、また数字の羅列などに意味を当てはめて読むことです。
歴史の年号を覚えるために、語呂合わせが使われることがあります。
「泣くよウグイス平安京」などです。
794年に意味を当てはめて、泣くよとしています。
その他にも、さまざまな語呂合わせがあります。
7月10日は納豆の日です。
これは、「なっ(7)とう(10)」をナットウと読んで、その日を納豆の日としました。
4月17日はなすび記念日です。
「良い(41)な(7)す」の語呂合わせです。
「語呂」の使い方
言葉や文章のリズムの意味では、「語呂がよい」「語呂が悪い」という使われ方をしています。
語呂合わせの意味では、「語呂」と略していわず、「語呂合わせ」ということが多くあります。
語呂合わせはさまざまなところで行われており、「語呂合わせ」という言葉は身近なものだといえそうです。
何かの記念日が語呂合わせなことは少なくなく、日常生活の中で語呂合わせが行われています。
語呂合わせをすると、何かを覚えやすくなります。
そのため、歴史の年号など覚えにくいものに語呂合わせが使われています。
「語呂」を使った例文
・『語呂がいいと思った』
・『語呂が気に入らない』
・『語呂合わせをして年号を覚える』
・『もっとよい語呂がないだろうか』
「語呂」の類語
「語感」「リズム」が類語です。
「語呂」の対義語
対義語はありません。
まとめ
言葉に関するものですが、意味しているものは違います。
「語感」は言葉から受け取る印象です。
個人的な感想のようなものを意味しています。
一方「語呂」は、言葉や文章の調子のこと、また語呂合わせの略です。