「公認」と「公式」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「公認」と「公式」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「公認」「公式」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「公認」と「公式」の違い

「公認」とは、おおやけに認めることです。

「公式」には、2つの意味があります。

1つめは、おおやけの基準・規則に従った形式のこと、またおおやけに決まっている手順に従って物事を行うことです。

もう一つの意味は、数や式の間に成り立つ関係を記号を用いて示したものです。

どちらの言葉にも、おおやけという意味が含まれており、この点は共通していますが、おおやけの何なのかという点で意味が異なります。

「公認」は、認めることです。

政府、官庁、国家、世間が、構わないと受け入れることを意味しています。

「公式」には2つの意味がありますが、1つめの意味の方は基準が規則に従った形式のこと、また手順に従って行うことです。

川崎市では、「川崎浮世絵ギャラリー」という「公式」の行事が行われたことがあります。

これは、公に定められた形式によって、公な手続きを踏んで行われたものです。


「公認」と「公式」の使い方の違い

政府、官庁、国家、世間などが、「いいですよ」と認めることについて「公認」を使用します。

公の決まった形式や、公の手続きに従って物事を行うことについて「公式」を使用します。

認めることについては「公認」、形式や手続きに従うことについては「公式」です。


「公認」と「公式」の英語表記の違い

「公認」は英語で“recognize”“authorize”と表現をします。

「公式」は英語で、儀式の意味では“formality”、数学の式の意味では“formula”と表現をします。

「公認」の意味

「公認」とは、おおやけに認めることです。

「公」には、政府、官庁、国家、世間、社会、表立つことという意味があります。

日本の各地には、ゆるキャラ、ご当地キャラと呼ばれるキャラクターが存在しています。

たとえば、熊本県にはくまモン、群馬県にはぐんまちゃんというキャラクターがいます。

その他にも各地にキャラクターが存在し、その中には市区町村が認めているものもあれば、認めていないものもあります。

市区町村は公といえます。

公が認めているものは「公認」のキャラクターです。

また、各政党や選挙の候補者に対して、この人を認めていますとすることがあります。

政党は公のものであり、公が認めているので、これも「公認」といえます。

このことは「公認の候補者」といいます。

「公認」は公が認めることなので、公でない存在が認めることは「公認」とはいいません。

公でない存在とは個人の立場です。

つまり、個人が認めたことは「公認」ではないということになります。

「公認」の使い方

政府、官庁、国家、世間、社会などが、さしさわりない、それでよいと認めることについて使用をします。

「公認」という言葉には、「公」という漢字が使われているように、公のことにだけ使用をする言葉です。

個人の立場で認めることには使用しません。

たとえば、国家が認めている資格は「公認」ということができますが、親が子どもに外泊を許可することなどは「公認」ではありません。

「公認」を使った例文

・『幕府が公認していた宿場』
・『政党が公認した候補者』
・『国際的に公認されている事実です』
・『食品協会が公認している缶詰』
・『公認されている大会』

「公認」の類語

「認める」が類語です。

かまわないと受け入れること、そうだと判断することという意味があります。

「公認」の対義語

「非公認」が対義語です。

「非」には打消しの意味があり、「非公認」は公が認めていないという意味になります。

「公式」の意味

「公式」には、2つの意味があります。

1つめは、おおやけに決められている形式、おおやけの順序に従って物事を行うことです。

天皇や皇后が被災地などを訪れることがありますが、これを「公式訪問」といいます。

天皇や皇后が勝手に決めて、勝手に訪れているのではなく、公に決められた手順に従って訪問が行われています。

インターネット上には「公式サイト」と呼ばれるものがあります。

これは商品や企業などを紹介するためのインターネットサイトです。

企業、官庁、学校、著名人などが、定められた形式に従って情報を発信しているものです。

おおやけの順序に従ってサイトが作られ、運営されているので「公式」といいます。

これに対して、個人や組織などが定められた形式や手順を踏まずに運営しているサイトは「非公式サイト」といいます。

「公式」のもう一つの意味は、数学の計算式のことで、数や式の間に成り立つ関係を数学上の記号を用いて示した式のことです。

たとえば、面積を求める「公式」には、正方形は一辺×一辺、長方形は縦×横、三角形は底辺×高さ÷2というものがあります。

この式に当てはめて計算をすると、正方形の面積や長方形の面積などを求めることができます。

これ以外にも、まだまだたくさんの「公式」が存在しています。

「公式」の使い方

おおやけに決められている形式の意味では、「公式行事」のような使い方をします。

個人の誕生日、家族の旅行などの個人的な行事ではなく、おおやけのもののことを指しています。

数学の計算式の意味では、数学をするときに主に使われています。

日常生活では、計算をするとき以外はあまり使われません。

「公式」を使った例文

・『公式をすべて覚えるのが大変だ』
・『公式戦で2連勝している』
・『公式サイトで公開しています』
・『初の公式戦に臨む』
・『公式オンラインショップで購入をする』

「公式」の類語

「公式」のものである意味では、「オフィシャル」が類語です。

数学の式の意味では、「数式」が類語です。

「公式」の対義語

「非公式」が対義語です。

「非」には打消しの意味があり、おおやけに決められた形式ではないという意味があります。

個人や組織などが公の形式に従わずに行っているものなどについていいます。

まとめ

どちらの言葉にも公という意味が含まれていますが、公の何なのかという点で意味が異なります。

「公認」は認めること、「公式」は定められた形式のことです。