この記事では、「冷却」と「冷凍」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「冷却」と「冷凍」の違い
「冷却」には、2つの意味があります。
1つめは、温度を下げること、温度が下がることです。
もう一つは、熱した気持ちや感情を衰えさせることです。
「冷凍」には、人工的に凍結させることという意味があります。
どちらの言葉にも、ひえる、ひやす、つめたい、という意味の「冷」という漢字が使用されていますが、その後に続く漢字が異なります。
「冷却」は、~しおわる、~してしまうという意味がある「却」が使われており、「冷凍」は、こおる、いてつくという意味がある「凍」が使われています。
そして、2つの言葉は意味が違います。
「冷却」には2つの意味がありますが、どちらの言葉にも熱を下げるという意味が含まれています。
温度計で測れる熱を下げる意味も、温度計では測れませんが熱い感情などを下げる意味があります。
熱を下げても凍ってはいません。
「冷凍」の場合は、冷蔵庫など人工的なものを使って凍らせることをいいます。
熱を下げれば凍るので「冷却」も同じ意味だろうと思うかもしれませんが、熱を下げても凍らないことがあります。
たとえば、捻挫をしたときのことで考えてみます。
捻挫の急性期には冷やす手当をします。
これは炎症を起こして熱を持っている状態なので、その熱を下げるために行う手当です。
冷たいものを患部に当てて熱を下げていますが、患部が凍ることはありません。
このように、熱を下げる=凍るではないのです。
「冷却」と「冷凍」の使い方の違い
温度計で測れる熱を下げること、温度計では測れない感情や気分の熱を下げることについて「冷却」を使用します。
どのような方法で熱を下げるのかは問いません。
人工的に凍らせることについて「冷凍」を使用します。
アイススケートをするために床を凍らせますが、このようなことは「冷凍」とはいいません。
「冷凍」は長期保存をするために行うものを指します。
また、自然に凍ることも「冷凍」とはいわないことが一般的です。
「冷却」と「冷凍」の英語表記の違い
「冷却」は英語で、冷やす意味では“cooling”や“refrigeration”と表現をし、感情や気分を衰えさせる意味では“settle down”や“calms down”などと表現をします。
「冷凍」は英語で“freezing”や“refrigeration”と表現をします。
「冷却」の意味
「冷却」には、2つの意味があります。
1つめは、温度を下げること、温度が下がることです。
夏になると気温が上昇をし、とても暑く感じます。
暑さ対策のために、首元を冷やすネッククーラーと呼ばれる商品が販売されています。
ネッククーラーを首に巻くことで、首元の温度が低下をします。
このような温度が下がることが「冷却」です。
首には太い血管が通っており、太い血管を冷やすことで体全体が涼しく感じられます。
もう一つの意味は、熱を持った感情や気持ちを衰えさせることです。
夫婦喧嘩をした直後は、お互い気持ちが高ぶっていることでしょう。
このような状態が熱を持った感情・気持ちです。
夫婦仲が悪い場合、「冷却期間を持ちましょう」とお互い話し合うことがあります。
「冷却期間」とは、熱を持った感情・気持ちを冷ますための期間です。
感情や気持ちの温度は温度計で測れませんが、興奮したような状態のことを熱を持っているといい、このような感情や気持ちを静めることを「冷却」といいます。
「冷却」の使い方
熱を持っているものの温度を下げることについて使用をします。
熱した鉄は温度が高くなっており、熱を持っています。
この鉄を水につけると温度が下がり、「冷却」ということができます。
感情や気持ちは触ることができず、温度計で温度を測ることができませんが、感情が燃えがっており熱を持っているといえます。
こういったものの温度を下げることも「冷却」を使用できます。
「冷却」を使った例文
・『素早く冷却をしてください』
・『従来品よりも冷却機能が向上しています』
・『冷却しすぎないでください』
・『効率的に冷却する方法を考える』
「冷却」の類語
「冷やす」「冷ます」が類語です。
「冷やす」とは、冷たくすること、冷静になることです。
「冷ます」には、熱いものの熱をなくす、高ぶった気持ちや感情を衰えさせるという意味があります。
「冷却」の対義語
「熱する」が対義語です。
あつくなること、あつくすることという意味があります。
「冷凍」の意味
「冷凍」とは、長期保存を目的に人工的に食品などを凍らせることです。
家庭用の冷凍庫は、マイナス18度程度に設定されています。
温度が低い状態では細菌の活動が落ちているため、長く保存をすることができます。
業務用の冷凍庫の場合は1年以上保存できるものもありますが、家庭用冷凍庫は頻繁に開け閉めをして、温度変化があるため、食品の保存は1か月程度が目安です。
「冷凍」は食品などを長期間保存するために行われるもので、飲み物を冷たくするための氷は保存のためのものではないので、水が凍ることを「冷凍」とはいいません。
アイススケートをするためのリンクは、霧状の水を吹きかけて、水を凍らせて作っていきます。
凍っていますが、これは食品などの保存の目的ではないので、「冷凍」ではありません。
「冷凍」の使い方
食品などを長持ちさせるために、人工的に凍らせることについて使用をします。
自然の作用によって凍ることには使用しません。
「冷凍」を使った例文
・『冷凍食品を大量に購入する』
・『冷凍しておいたことを忘れて、賞味期限が過ぎてしまった』
・『冷凍されている商品が宅配便で届いた』
・『冷凍しておいたご飯を解凍したら、ぱさついてしまった』
「冷凍」の類語
「凍結」が類語です。
凍らせることという意味があります。
「冷凍」の対義語
「解凍」が対義語です。
凍っていたものが溶けること、溶かすことという意味があります。
まとめ
どちらの言葉にも「冷」という漢字が使われていますが、それぞれの言葉の意味は違います。