「指示」と「指摘」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「指示」と「指摘」の違い生活・教育

この記事では、「指示」「指摘」の違いを分かりやすく説明していきます。

「指示」と「指摘」の違い

「指示」「指摘」の違いについて紹介します。


「指示」と「指摘」の使い方の違い

「指示」は、「そうであると表すこと」「ものごとに対してそうすべきと伝えること」に使われます。

上の立場の人が、自分の判断や命令を下の人に伝えることを言います。

「指摘」「重要な点や問題点を取り上げて示すこと」に使われます。

現在話題にしていることの誤りや重要なポイントなどについて特に言及することを言います。


「指示」と「指摘」の英語表記の違い

「指示」の英語表記は以下の通りです。

1つ目が「instrut」で、「授ける」「教える」「指示する」という意味、名詞形は「instruction」「インストラクション」と日本語にもなっています。

“She instructed me to wait a phone call.”
(彼女は私に電話が来るまで待つ様に指示した)
2つ目は「order」で、権威ある人が「命令する」「指示する」という意味です。

“My boss ordered me to make a report for that issue.”
(上司は私にその問題の報告書を作成する様に指示した)
「指摘」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「point out」で、「1点を出す」=「指摘する」という意味です。

主に「ミスを修正する為に指摘すること」に使われることが多くなります。

“As you pointed out, we updated these data.”
(ご指摘の通り、我々はこれらのデータを修正しました)
2つ目は「indicate」で、「差し示す」「指摘する」という意味です。

“She indicated that issue has been already solved.”
(彼女はその問題は既に解決済だと指摘した)

「指示」の意味

「指示」「しじ」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「ものごとをそれとさししめすこと」という意味で、目の前にあるものを注目させる様にこれと言って指すことを言い、元の意味になります。

2つ目は上記から転じて「命令すること」という意味で、上の立場の人から下の立場の人に対して「こうするべき」「こうした方が良い」と伝えることを言います。

日常ではこちらの意味で使われることが多くなります。

「指」「ゆび」「さす」という意味、「示」「しめす」という意味、「指示」「指し示す」になります。

「こうする」という具体的なものを表わす言葉です。

「指示」の使い方

「指示」は、主に「上の立場の人が下の立場の人に対して命令すること」に使われます。

「指示する・した」「指示される・された」と使われたり、「指示して」と副詞として使われたりします。

問題点や重要な点を取り上げるのではなく、これからやるべきことなどを「こうである」と伝えてやらせる様にする時に使われます。

「指示」はあくまで「アドバイス」の延長であり、絶対従わなければならないものではなく、「指示」を受けた人が状況に応じて判断することが認められるものです。

「指示」を使った例文

・『コロナで陽性が判明したので、保健所からの指示に従う』
・『納品前にもう一度全ての商品を検査する様に指示を与えた』
・『リモートワークで自宅にいる部下に指示を与えるのは難しい』
・『カーナビの指示に従って進んで行ったら回り道をしていた』
・『電話で指示された口座にお金を振り込ませようとするのは詐欺に違いない』

「指示」の類語

「指図(さしず)」
「ものごとのやり方などをあれこれと伝えて人を動かすこと」という意味です。

「今度の転職活動に関しては誰からも指図されたくない」などと使われます。

「言い付け(いいつけ)」
「立場が上の人から下の人に対する命令や指示のこと」という意味です。

「息子は昔から親の言い付けをよく守る良い子だったのに、変わってしまった」などと使われます。

「指示」の対義語

「指示」に対義語はありません。

「指摘」の意味

「指摘」「してき」と読みます。

意味は「ものごとの大切な点や注意すべき点、ミスや修正すべき点などを具体的に取り上げて示すこと」です。

あるものごとに関して、「これは重要である」「ここに注意が必要である」「ここは間違っている」「ここは直すべき」などと、具体的に言い表すことです。

その点に対してとりわけ注目させるだけではなく、相手に対して何らかの異議がある時にも使われます。

「摘」は、「つまむ」「選び出す」という意味、「指摘」「選び出して指し示す」という意味になります。

「指摘」の使い方

「指摘」は、「ものごとの重要な点や問題点などをさししめして、相手に注目させること」という意味です。

「指摘する・した」「指摘される・された」と使われたり、「指摘して」と副詞として使われたりします。

必ずしも悪い点や正すべき点に対して使われるのではなく、「重要でありより注目するべき点」に対しても使われる言葉です。

「指摘」を使った例文

・『会議の資料に誤りがあると指摘を受けた』
・『彼氏に直して欲しい欠点を指摘したら逆ギレされてしまった』
・『ユーザーからの指摘により、商品に欠陥があることが判明した』
・『コロナ禍での営業において、店の感染対策が不十分であると指摘された』
・『ご指摘の通り内容に一部誤りがあったことをお詫びいたします』

「指摘」の類語

「挙げる(あげる)」
「複数あるものの中で、とりわけあるものを表し示すこと」という意味です。

「彼は分かり易い様に例を挙げて説明した」などと使われます。

「突っ込み(つっこみ)」
「勢いよく突進すること」「内面まで深く入り込むこと」「漫才で、相方のボケを指摘してネタをまとめる役割のこと」という意味です。

「彼の説明には突っ込みどころが満載だ」などと使われます。

「指摘」の対義語

「指摘」に対義語はありません。

まとめ

今回は「指示」「指摘」について紹介しました。

「指示」は、「そうであると表すこと」「そうすべきと伝えること」「指摘」「重要な点や問題点を取り上げて示すこと」と覚えておきましょう。