「決算」と「決済」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「決算」と「決済」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「決算」「決済」の違いを分かりやすく説明していきます。

「決算」と「決済」の違い

「決算」「決済」の違いについて紹介します。


「決算」と「決済」の使い方の違い

「決算」「企業で一定の会計期間ごとに損益を計算して、財務諸表を作成すること」に使われます。

あらゆる伝票を処理してやり取りした金額を算出する作業のことです。

「決済」は、「ある取引に関して、代金の支払いと受け取りを済ませて、取引を完了させること」に使われます。

実際にお金を支払い、商品の所有権を移譲して、一つの取引を終わらせることを言います。


「決算」と「決済」の英語表記の違い

「決算」の英語表記は以下の通りです。

1つめは「financial closing」で、「財務を閉じる」=「決算」という意味です。

“We have a financial closing in every end of the month.”
(我社では毎月末に決算しています)
2つ目は「the end of the fiscal period」で、「会計期間の終り」=「決算」という意味です。

“We are so busy at the end of the fiscal period.”
(決算期には私たちは非常に忙しい)
「決済」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「payment」「支払い」「決済」という意味があります。

“This is the notice of the payment for the following product.”
(これは以下の商品に対する決済のお知らせです)
2つ目は「settlement」で、「決着」「精算」「決済」という意味があります。

“Please kindly make settlement for following amount.”
(以下の金額について決済をお願い致します)

「決算」の意味

「決算」「けっさん」と読み、以下の3つの意味があります。

1つ目は「企業や個人経営において、金銭の出入を区切って収入と支出を計算すること」という意味で、商売が幾ら儲かったか計算して区切りを付けることを言います。

2つ目は「企業会計で、一定の会計期間における業績と財政状態を明らかにする作業」という意味で、株式会社の義務になっているものです。

3つ目は「国や地方公共団体が、一定の会計期間においてお金の出入が完結した分いついて、予算と実績を対比させる作業のこと」という意味です。

上記に共通するのは「一定期間における収入と支出を算出する」という点です。

一つ一つの取引において仕訳を行い、財務諸表を作成して、会社の経営状態を目に見える形にする作業があります。

「決算」の使い方

「決算」は、「一定期間に区切ってお金の出入を算出して、収支をはっきりとさせる作業」に使われます。

「決済する・した」「決済を行う・行った」などと使われたり、「決済して」と副詞として使われたりします。

一つの取引に関してではなく、一定期間における、その企業や個人経営の全ての取引に関して、金銭を計算することを言います。

「決算」を使った例文

・『決算までに未精算勘定を全てきちんと仕訳しておくべきだ』
・『営業マンは旅費の精算書を決算までに必ず提出して下さい』
・『日本では4月が年度末に当たるので、決算が大変になる』
・『外資系企業は12月31日が決算にあたるので、年末が忙しい』
・『役員会に提出する決算書にミスがあってはならない』

「決算」の類語

「締め(しめ)」
「最後にきっちりと終わらせること」「金銭などの合計を計算すること」「飲食した最後に食べるもの」「封書のとじ目に付ける〆の印」という意味です。

「うちの会社は給料が月末締めの翌月末払いだ」などと使われます。

「月次報告・年次報告(げつじほうこく・ねんじほうこく)」
「毎月・または毎年社長や役員会などに伝える会社の業務成績のこと、会計俗語で月次・年次とも言う」という意味です。

「GW中でも月次報告が遅れてはならない」などと使われます。

「決算」の対義語

「予算(よさん)」
「あるものごとにかかる費用に関して、あらかじめ金額を見積もっておくこと」という意味です。

「予算を大幅にオーバーしてしまった」などと使われます。

「決済」の意味

「決済」「けっさい」と読みます。

意味は、「ある取引において、代金の受け渡しを行い、商品の所有権を移して、売買取引を終了すること」です。

一つの取引を、商品と代価を交換して終えることを言います。

街中の店頭で物を買う時には、商品と現金を交換で支払うことが多いのですが、中にはクレジットカードで支払うこともあります。

クレジットカードの場合、物が先に手に入り、後日決まった日にその金額が引き落とされ、これを「決済」と言うのです。

また、企業では商品が届いてから後日支払う形式のところが多いことから、お金に関わる「決済」が発生します。

「決済」の使い方

「決済」は、「ある取引において、商品と代金の受け渡しが済み、売買取引を終了すること」に使われます。

「決済する・した」と使われたり、「決済して」と副詞として使われたりします。

複数の取引ではなく、ある支払先に対してお金が振り込まれる時に使われる表現です。

「決済」を使った例文

・『手元に現金がなかったので、クレジットカード決済にした』
・『決済日が近づいているので、銀行残高を確認しておこう』
・『最近のキャッシュレス決済はとても便利だ』
・『この通販は決済の方法が幾つかの中から選択できる』
・『業者に支払う決済金額が確定した』

「決済」の類語

「精算(せいさん)」
「金額などについて、過不足がないか細かく計算すること」という意味です。

「カードのチャージ残高が足りなくて窓口精算になってしまった」などと使われます。

「清算(せいさん)」
「お互いの貸し借りを計算して、けじめをつけること」「これまでの関係・事柄に決着をつけること」とい意味です。

「彼は全ての借金を清算した」などと使われます。

「決済」の対義語

「未決済(みけっさい)」
「取引でまだお金を支払っていない状態」という意味です。

「先月から未決済になっている取引がある」などと使われます。

まとめ

今回は「決算」「決済」について紹介しました。

「決算」「一定期間における損益計算する作業」「決済」「代金を支払ってある取引を終了させること」と覚えておきましょう。