この記事では、「あえて」と「わざと」と「しいて」の違いを分かりやすく説明していきます。
「あえて」とは?
「あえて」は「敢えて」と書き、意味は以下の通りです。
1つ目は「しなくても良いが取り立ててすること」という意味で、する必要はないが、せっかくの機会なのでする様子のことです。
2つ目は「特に取り立てるほどどのことではない様子」という意味で、打消しの言葉を伴って「必ずしもそうではない」という意味で使われます。
3つ目は「少しも」「全く」という意味で、打消しの言葉を伴い更に強調する意味で使われます。
上記に共通するのは「取り立てて何かをする」という意味です。
「あえて」の使い方
「あえて」は動詞「敢う(あう)」の連用形で副詞として使われ、「敢えて言う」「敢えて多いとは思わない」などと使われます。
基本的に、しなくても良いが取り立ててすることや、必ずしもそうではないことに使われる言葉です。
「あえて」の例文
・『あえて言わせてもらうが、ここは省いた方がいい』
「わざと」とは?
「わざと」は「態と」と書き、意味は以下の通りです。
1つ目は「意図的に何かすること」という意味で、故意に何らかの行動をすることです。
2つ目は「しなくてもいいことをすること」という意味で、する必要がないことをわざわざすることです。
上記に共通するのは「故意にする」という意味です。
「わざと」の使い方
「わざと」は副詞として「わざと転ぶ」「わざと失敗する」「わざと足をひっかける」などと使われます。
基本的に、故意に何らかの行動をすることで、悪い意味に使われることが多くなります。
「わざと」の例文
・『わざと転んで審判にアピールする』
「しいて」とは?
「しいて」は「強いて」と書き、意味は以下の通りです。
1つ目は「困難な状況でも何か行動する様子」という意味で、無理に何かすることです。
2つ目は「反対や抵抗を押し切って何かすること」という意味で、相手の意見に反して行動することです。
上記に共通するのは「無理にする」という意味です。
「しいて」の使い方
「しいて」は動詞「強いる」の連用形で副詞として使われ、「しいて引き受ける」「しいてやらせる」「しいて従わせるなどと使われます。
基本的に、困難や反対を押し切って行動することに使われる言葉です。
「しいて」の例文
・『嫌がる子供をしいて塾に行かせる』
「あえて」と「わざと」と「しいて」の違い
「あえて」は「しなくても良いが取り立ててすること」「必ずしもそうではないこと」という意味です。
「わざと」は「故意に何らかの行動をすること、悪い意味に使われることが多い」という意味です。
「しいて」は「困難や反対を押し切って行動すること」という意味です。
まとめ
今回は「あえて」と「わざと」と「しいて」について紹介しました。
「あえて」は「取り立ててする」、「わざと」は「故意にする」、「しいて」は「無理にする」と覚えておきましょう。