山に分け入り狩猟を行う人の呼び名として「マタギ」と「ハンター」があります。
どちらも狩猟の専門家ですがどのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「マタギ」と「ハンター」の違いを解説します。
「マタギ」とは?
「マタギ」とは、「日本の東北地方に存在する伝統的なやり方を重んじる狩猟者」です。
「マタギ」の使い方
東北地方の一部に見られる狩猟者を指す言葉で、狩猟によって生計を立てる専業の狩人を指します。
本来は独特の生命観や宗教観に基づいてつくられる狩猟者の集団を指す言葉で狩猟も集団で行われていましたが、現在では文化や背景にかかわらず何日も山に泊まり込んで狩猟する専業の狩猟者全般を「マタギ」と呼んでいます。
「ハンター」とは?
「ハンター」とは、「獲物を追い求めて仕留める狩猟者」を意味する言葉です。
「ハンター」の使い方
狩猟において獲物を追い求めて狩るものを指す言葉で、一般的には銃砲を用いて熊や鹿などの獣を狩る人を指します。
比喩的な表現として動物を狩る狩猟以外にも特定の対象を追い求める人のことを「ハンター」と呼ぶこともあります。
日本では一般的に狩猟免許を所持し狩猟に従事する人全般を指す意味で使われる言葉です。
「マタギ」と「ハンター」の違い
狩猟者のうち専用の狩猟従事者が「マタギ」、専業ではない狩猟者が「ハンター」という違いで区別されています。
その他にも宗教観や山に対する考え方などいろいろな違いがありますが、狩った獲物を山の恵みだと考えるのが「マタギ」苦労した成果だと考えるのが「ハンター」という狩猟そのものに対する考え方の違いも見られます。
「マタギ」の例文
・『マタギは何日も山に泊まり込んで獣を追う』
・『ヒグマはマタギの手によって仕留められた』
「ハンター」の例文
・『街に出没した熊を駆除するためにハンターが駆けつけた』
・『ハンターだからといって自由に銃を撃てるわけではない』
まとめ
「マタギ」と「ハンター」は似て非なる存在です。
狩猟との関わり方や精神的な部分の違いでも区別されるので混同しないようにそれぞれ特徴を知っておきましょう。