「遺言(いごん)」と「遺言(ゆいごん)」の違いとは?分かりやすく解釈

「遺言(いごん)」と「遺言(ゆいごん)」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「遺言(いごん)」「遺言(ゆいごん)」の違いを分かりやすく説明していきます。

「遺言(いごん)」とは?

「遺言(いごん)」は、死亡した者の意思が法律によって行使される文章のことで、いわば、絶対に、従う言葉のことです。

たとえば、普通であれば、死亡した者の財産は、法律によって取り分というものが決まっているので、家族が相続するのですが、これを「遺言(いごん)」にして記した場合、相続権を無視して第三者に全財産を渡すというような内容の文章を記すことができます。

この文章で記すことができれば、法律上通常に行使されるルールを無視することができ、例えば、全財産を焼却処分するということすら命令できるのです。

ただ、第三者に財産を渡すという場合、民事のルールを無視することができるんですが、無視すれば無視したで家族側が第3者を訴えることが可能で無理やり民事のルールを適応できるので、結局の所、死亡した者の財産をどうこうできるのは民事が介入すれば不可能となるのです。


「遺言(ゆいごん)」とは?

「遺言(ゆいごん)」は、死亡した人が最後に抗してほしいということを記しただけの文章で、別に従う必要性が無い文章のことです。

つまり、民事のルールがある場合、お墓を作らずにそのまま放置してほしいと死亡したものが文章に記してもこれは従う必要が無いので「遺言(ゆいごん)」扱いになります。


「遺言(いごん)」と「遺言(ゆいごん)」の違い

両者の違いは、死者になる物の最後の命令で絶対に従う命令であるか、従う必要が無い命令であるかです。

「遺言(いごん)」は絶対に従う命令ですが、命令に不服を唱えて別の効力を行使することは許されます。

一方、「遺言(ゆいごん)」は初めから民事のルールが適応されれば、従う必要が無い死者の命令になり、こちらは無視ができます。

「遺言(いごん)」の例文

・『愛人に全財産を渡すという祖父の遺言(いごん)は、民事で無効となった』

「遺言(ゆいごん)」の例文

・『遺言(ゆいごん)に従い、祖父の車は孫である太郎が所有者になる』

まとめ

「遺言(いごん)」については、書式に形式があり、形式を守れば、法律を無視できる文章になるんですが、実は、無視できるというだけで法律が働かないとは言っていません。

なので、到底飲めない要求は、大抵が民事で裁判となり、決着がつきます。

一方、「遺言(ゆいごん)」は、お願いベースなので、別に従う必要性が無く、全員が無視することもできるんですが、そうなると今度は、借金なんかは法律が働き、結局の所無視できなくなるので、両者ともに裁判という流れになったり、民事のルールが適応されると変わらないケースが多いです。