この記事では、「獲得」と「習得」の違いを分かりやすく説明していきます。
「獲得」と「習得」の違い
「獲得」と「習得」の違いについて紹介します。
「獲得」と「習得」の使い方の違い
「獲得」は、「努力や苦労して欲しいものを手に入れること」に使います。
実際に欲しい物があり、その為に一生懸命努力をした結果、手に入れることを言います。
「習得」は、「学問や技芸などを教わって覚えること」に使います。
勉強や芸事などを、人から教わって自分で出来る様になることを言います。
「獲得」と「習得」の英語表記の違い
「獲得」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「earn」で、「儲ける」「稼ぐ」「獲得する」という意味です。
“I earned a good living at that job.”
(私はその仕事で良い生活を獲得した)
2つ目は「get」で、「得る」「獲得する」など幅広く使われます。
“She get a lot of medals at the amusement arcade.”
(彼女はゲームセンターで沢山のメダルを獲得した)
「習得」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「acquire」で、「努力して学ぶ」「習得する」という意味です。
“You should study hard to acquire English.”
(英語を習得するならば、一所懸命勉強した方がいいよ)
2つ目は「learn」で、「習う」「学ぶ」「習得する」という意味です。
“She learned English by watching movie.”
(彼女は映画を観て英語を習得した)
「獲得」の意味
「獲得」は「かくとく」と読みます。
意味は「努力や苦労して手に入れること」です。
簡単に手に入れるのではなく、あるものを欲しいと思い、そこから一生懸命努力をした結果、自分のものにすることを言います。
自分で一生懸命行動するだけではなく、人と競ったりして手に入れるものも含まれています。
「獲」は「狩りをして動物を捕まえること」という意味、「得」は「手に入れること」という意味、「獲得」で「自分で狩りをして手に入れるもの」=「人と競って手に入れるもの」という意味で使われています。
「獲得」の使い方
「獲得」は、「一生懸命努力や苦労して手に入れるもの」に使われます。
「獲得する・した」と助動詞を伴って使われたり、「獲得して」と副詞として使われたりします。
基本的に、最初からある高価な物や、権利、地位など、人と競って手に入れるものが対象になります。
資格などは勉強して一定の基準に達すれば手に入れられるものですので、余程狭き門を突破した時でないと使われません。
「獲得」を使った例文
・『彼女は努力を続けて今回の大会で金メダルを獲得した』
・『初めてゲーセンに行ったが、こんなにメダルを獲得できると思わなかった』
・『新規顧客を獲得する為に、大規模なキャンペーンを始める』
・『何としてもこの契約を獲得する為に力を尽くして欲しい』
・『プレゼンでクライアントからの高い評価を獲得できた』
「獲得」の類語
・「取得(しゅとく)」
「資格・権利・物などを自分のものにすること」という意味です。
「彼女は長い時間をかけて教習を受けて、車の免許を取得した」などと使われます。
・「勝ち取る(かちとる)」
「勝負ごとで争った結果、目的のものを手に入れること」という意味です。
「彼は3度目の挑戦でチャンピオンの座を勝ち取った」などと使われます。
「獲得」の対義語
・「喪失(そうしつ)」
「抽象的なものがなくなったり消えたりすること」という意味です。
「彼は都合が悪いと記憶喪失のフリをしてごまかそうとする」などと使われます。
「習得」の意味
「習得」は「しゅうとく」と読みます。
意味は「学問や技芸などを、人から教わって覚えること」です。
自分一人で努力するだけではなく、人から教わったり、教科書や参考書などを使って覚え込むことを言います。
「習」は「ならう」とも読み、「繰り返し教わること」という意味、「習得」で「繰り返し教わって自分のものにする」になります。
ただ繰り返し教わるだけではなく、最終的に自分でもことができる様になることを表す言葉です。
因みに、「修得」も「しゅうとく」と読みますが、こちらは「学問・学業を教わって身に付けること」であり、「技芸」の意味は含まれていません。
「習得」の使い方
「習得」は「学問や技芸を、人から教わって自分のものにすること」に使われます。
「習得する・した」と助動詞を伴って使われたり、「習得して」と副詞として使われたりします。
学問や技術ということで、全てが勉強という訳ではなく、「編み物」「料理」「ギター」など、趣味に関するものにも使われます。
繰り返し習って身に付けることですので、1度教わっただけですぐにできる様になることには使われません。
「習得」を使った例文
・『語学を習得する為に短期でホームステイすることにした』
・『変化球を習得する為に毎日ピッチング練習に励んでいる』
・『学校でプログラミングを習得してIT業界に就職したい』
・『学生時代に習得した接客術を生かした職業に就きたい』
・『着付けを習得したお蔭でいつでも一人で着物を着られる』
「習得」の類語
・「修める(おさめる)」
「心構えや行動が乱れない様に、自分を正すこと」「学問・技芸などを、学んで身につけること」という意味です。
「大学でしっかり学業を修めて世に羽ばたいて欲しい」などと使われます。
・「会得(えとく)」
「ものごとの意味を十分理解して身に付けること」という意味です。
「彼女は弟子入りして最も難しいとされる技法を会得した」などと使われます。
「習得」の対義語
・「生得(せいとく)」
「生まれながらにしてその様な性質を持っていること」という意味です。
「彼は生得の人の良さが日頃の行いに表れている」などと使われます。
まとめ
今回は「獲得」と「習得」について紹介しました。
「獲得」は「努力や苦労して欲しいものを手に入れること」、「習得」は「学問や技芸などを教わって覚えること」と覚えておきましょう。