人にはそれぞれ多かれ少なかれ、こだわりというものがあります。
それは自分の好きな事、興味のある事に直面した時にとても強い思いとなります。
そんなこだわりに関係する言葉で、「執着」と「固執」と「依存」というものがあります。
言葉の響きは違いますが、意味は何となく似ている気もしますしどこか違う気もします。
この記事では、「執着」と「固執」と「依存」の違いを分かりやすく説明していきます。
「執着」【しゅうちゃく】とは?
「執着」とは、強く心を惹かれて忘れられないことを意味しています。
言葉の中にある「執」には、心がとらわれるという意味があり、「着」には、そこに行き着くといった意味があります。
ですから「執着」は、心がとらわれるという所に行き着いたことを表す言葉です。
人や物や事柄など、様々な事に関して使うことのできる言葉で、多くの場面で登場する言葉です。
「執着」の例文
・『いつからか、彼はお金に対して異常な執着を見せるようになった』
・『彼女との過去の思い出に執着するのは、もうやめた方がいい』
「固執」【こしつ、こしゅう】とは?
「固執」とは、自分の意見を主張して曲げないことを意味しています。
言葉の中にある「固」には、かたくな(融通が利かない)という意味が含まれており、「執」には、心がとらわれるという意味があります。
ですから「固執」は、その事に心がとらわれていて融通が利かなくなっている状態を表した言葉になります。
意見や考えに対して使われる言葉で、会議や議論といった場面で使われることの多い言葉です。
「固執」の例文
・『父親はいつだって自分の考えに固執していて、子供の意見を全く聞かない』
・『固執した考え方は、何も生み出さない』
「依存」【いそん、いぞん】とは?
「依存」とは、他のものに頼りきりになっていることを意味しています。
言葉の中にある「依」には、寄りかかる頼りにすると言った意味があり、「存」には、その場所に生きているという意味があります。
ですから「依存」は、寄りかかってそこに生きているという意味になります。
人や物に対して使われる言葉で、対象となる人や物に寄りかかった状態でないと生きていけないといった様子を表しています。
人は時に弱い生き物でもあり、何かに頼りすぎて生きてしまうことは誰しもがなり得る状態であるので、日常生活でも度々登場する言葉です。
「依存」の例文
・『悲しい出来事があってから、彼はアルコールに依存するようになった』
・『恋愛に依存する生き方はもうやめたい』
・『親に依存した生活を送っている』
「執着」と「固執」と「依存」の違い
「執着」とは、「心がとらわれて離れられない」ことを表した言葉です。
対象は、人や物や事柄と幅広く、使い勝手の良い言葉です。
「固執」とは、「自分の意見を曲げない」ことを表した言葉です。
対象は、意見や考えといったもので、会議や議論などの場面で多く使われます。
「依存」とは、「何かに頼って生きる」ことを表した言葉です。
人や物に対して使われる言葉です。
まとめ
こだわりを持つことは決して悪いことではありませんが、その思いが強すぎると弊害も起きてきます。
いろいろな事に適度にこだわりを持って、日々楽しく暮らしたいものです。