この記事では、「失念」と「忘れる」と「放念」の違いを分かりやすく説明していきます。
「失念」とは?
「失念」は「しつねん」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「うっかり気づかないこと」という意味で、故意にではなくうっかりして思い出せないことの固い表現です。
2つ目は「仏教用語で、記憶を妨げる原因となる心の作用」という意味です。
上記に共通するのは「記憶にない」という意味です。
「失念」の使い方
「失念」は名詞として動詞を伴い「失念する・した」と使われたり、副詞として「失念して」と使われたりします。
基本的に、ビジネスなどで、ついうっかりと思い出せないことを直接言えない場合に使うやや固い表現です。
「失念」の例文
・『今日の会議の時間についてすっかり失念しておりました』
「忘れる」とは?
「忘れる」は「わすれる」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「覚えていたことが思い出せなくなる」という意味で、あることに対する記憶がなくなることを言います。
2つ目は「何かに夢中になり、気付かずにいること」という意味で、あることに熱中して他のことが頭に入らない状態を言います。
3つ目は「うっかり物を置いたまま移動する」という意味で、ある場所に財布やスマホ、バッグなどを置き去りにして気づかない様子を言います。
4つ目は「やるべきことをしない」という意味で、しなければならないことをせずに他のことを始めてしまうことを言います。
上記に共通するのは「思い出せない」という意味です。
「忘れる」の使い方
「忘れる」は動詞として「忘れる・忘れた」と使われたり、副詞として「忘れて」と使われたり、名詞として「物忘れ」などと使われたりします。
基本的に、あるものに対して思い出せない状態に幅広く使われる言葉です。
「忘れる」の例文
・『上司から預かった書類をタクシーに忘れた』
「放念」とは?
「放念」は「ほうねん」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「気に留めないこと」という意味で、あることについて心配しないことを言います。
2つ目は「ビジネス用語で、無視して下さいの敬語」という意味で、相手に対して必要のないことを言ってしまったり、間違ってメールを送ってしまった時などに使われます。
上記に共通するのは「心に留めない」という意味です。
「放念」の使い方
「放念」は名詞として動詞を伴い「放念する・した」と使われたり、副詞として「放念して」と使われたりします。
基本的に、あることについて全く気に留めないことに使われる言葉です。
「放念」の例文
・『彼がどうなったかということはもう関係ないので放念する』
「失念」と「忘れる」と「放念」の違い
「失念」は「ビジネスなどで、ついうっかりと思い出せないことを直接言えない場合に使うやや固い表現」という意味です。
「忘れる」は「あるものに対して思い出せない状態に幅広く使われる」という意味です。
「放念」は「あることについて全く気に留めないこと」という意味です。
まとめ
今回は「失念」と「忘れる」と「放念」について紹介しました。
「失念」は「思い出せないことの固い表現」、「忘れる」は「思い出せないことの一般的な表現」、「放念」は「気に留めない」と覚えておきましょう。