「自己資金」と「自己資本」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「自己資金」と「自己資本」の違い金融・経済

この記事では、「自己資金」「自己資本」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「自己資金」と「自己資本」の違い

「自己資金」は、「(借金ではない)個人が自分で働いたり投資したりして貯めたお金」「自分自身で自由に使うことが可能な手持ちのお金」を意味しています。

「自己資金」に対して「自己資本」は、「会社法を前提として会社の事業資金で使うお金のうち、返済する必要がないもの」を意味している違いがあります。

「自己資本」とは具体的に説明すると「株主が出資してくれたお金(金額)と会社が稼いだ利益のうちで配当に使わずに内部留保したお金(金額)の合計」であり、「個人が貯めて自由に使用できるお金」である「自己資金」とは異なります。


「自己資金」と「自己資本」の使い方の違い

「自己資金」「自己資本」のシンプルな使い方の違いは、「自己資金」「自分が蓄積したお金を意味する一般的な言葉」として使い、「自己資本」「会社法・財務諸表において返済する必要がない純資産の合計額を意味する会計用語」として使うということです。

「自己資金」というのは、「返済しなくても良い、自由に使える自分で貯蓄したお金」を意味して使う言葉です。

それに対して「自己資本」とは、「株主など出資者から集めたお金+会社の事業で稼いだお金(利益)の合計としての純資産」を示して使われる違いを指摘できます。


「自己資金」と「自己資本」の英語表記の違い

「自己資金」を、英語で表現すると以下になります。

“one’s own money”……自分自身が保有するお金・金銭。

自己資金。

“funds on hand”……自由に使える資金。

自由裁量できる資金。

自己資金。

「自己資本」を、英語で表記すると以下になります。

“self-owned capital”“own capital”……返済の必要性がない自社自身の資本。

自己資本。

“equity capital”“equity fund”……株主が出資してくれた返済しなくて良い出資資本・持ち分資本。

自己資本。

「自己資金」の意味

「自己資金(じこしきん)」とは、「自分が働いたり投資したりして蓄積した資金」を意味しています。

「自己資金」というのは、「借りているお金(返済を要するお金)ではない、自由に使える自分の資金」を意味している一般的な言葉なのです。

「自己資金」の使い方

「自己資金」は、「自分自身で働いて稼いだり貯めたりしたお金で自由に使えるもの」の意味で使われます。

「自己資金」というのは「会社法・会計用語などの専門的な用語」として使用されるのではなく、「借金ではない、自分で蓄積した自由に使用できる資金」の意味で使われる言葉なのです。

「自己資金」を使った例文

・『株式に投資するためには、一定以上の自己資金が必要になってきます。』

・『友人と一緒に起業するために、今はアルバイトなどをして自己資金を増やしています。』

・『自己資金を使い果たしてしまったので、しばらくは贅沢な外食や買い物はできません。』

・『自己資金がないからといって、安易に消費者金融などから借金をすることはやめておいた方が良いでしょう。』

・『新たな事業を立ち上げるための自己資金をどうやって確保するのかが、差し当たっての課題になっています。』

「自己資金」の類語

「自己資金」の類語には、以下の言葉があります。

・『手持ち資金(てもちしきん)』……現時点で、手元に持っている自分のお金・資金。

・『元手(もとで)』……何かの事業・投資・ギャンブルをするための自前の資金、自分で用意したお金。

・『貯金(ちょきん)』……消費せずに貯蓄したお金。仕事・投資などで稼いだお金をコツコツと貯めたもの。

「自己資金」の対義語

「自己資金」の対義語には、以下の表現があります。

・『借金(しゃっきん)』……自己資金ではない、返済の義務が生じる借りたお金。金利も合わせて返していかなければならない借りたお金。

「自己資本」の意味

「自己資本(じこしほん)」とは、「会社法において、会社の事業性資金で使用するお金のうちで返済の義務がないお金」を意味している会計用語です。

「自己資本」という財務諸表(貸借対照表)で使われる会計用語は、「株主が出資してくれたお金と会社の事業で稼いだ利益のうち配当金に回すことなく内部留保したお金を合計したもの」といった意味を持っています。

「自己資本」は財務諸表の貸借対照表では、「純資産の部門」と同じもの・金額になります。

「自己資本」の使い方

「自己資本」は、「株主の出資金と会社の利益で内部留保したもの(配当金以外)を合わせた純資産の金額」の意味で使うという使い方になります。

「自己資本」は、「返済義務がある借入金ではない資本」「出資者からの出資金と会社の利益・内部留保を合わせた金額」の意味で使われる会計用語なのです。

「自己資本」と類似した会計用語に「資本金」がありますが、「資本金」「事業活動の利益・損失によって金額が変動しないお金、会社設立時に出資された初期の金額」を意味しているため、「自己資本」とは異なる使い方になります。

「自己資本」を使った例文

・『自己資本比率が高い企業は、借金が少なくて経営が安定していることが多いのです。』
・『自己資本に分類される金額は、貸借対照表における純資産の金額と一致することになります。』
・『会社の経営が黒字で内部留保を増やしている限り、自己資本は一般的に増加傾向を示します。』
・『会社の利益と株主の配当金を増やすために、自己資本を何に投資すべきかについて考えています。』
・『内部留保を増やせば自己資本は増えますが、自己資本が増えれば株主の配当への圧力は強まります。』

「自己資本」の類語

「自己資本」の類語には、以下の言葉があります。

・『純資産(じゅんしさん)』……会社の財務諸表において、資産の総額から負債の総額を引いた金額。

貸借対照表では、負債の部と純資産の部を合わせたものが資産の部の金額と釣り合うことになる。

・『持分資本(もちぶんしほん)』……返済する必要がない、出資者(株主)が出資した分の資本。

「自己資本」の対義語

「自己資本」の対義語には、以下の表現があります。

・『他人資本(たにんしほん)』……銀行(金融機関)から融資を受けたり社債を発行したりして集めたお金。

他者から借りていて、金利も含めた返済の必要がある事業性資金。

まとめ

「自己資金」「自己資本」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「自己資金」「自己資本」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。