「様式」と「フォーマット」はどのような違いによって区別されるのでしょうか。
今回は、「様式」と「フォーマット」の違いを解説します。
「様式」とは?
「様式」とは、「共通する一定の形」を意味する言葉です。
「様式」の使い方
複雑な物事を見た時に共通して見られる一定の形や姿のことを指す言葉で、本来は自然発生的に見られるものを指しますがそこから転じて「人が定める共通の型」どういう意味でも使われます。
自然発生的なものの場合は当事者たちにはそのような意識がないものの客観的に観察すると確認できる共通点を意味する言葉です。
例えば「日本人の行動様式」という場合、多くの日本人を観察した結果として確認される行動の共通点が「様式」に当たります。
待つときに誰に誘導されるわけでもなく整列したり週末に買いだめするのではなく毎日こまめに買い物したりといったような「誰かに指示されてやっているのではなく無意識のうちに見てとれるさま」が「様式」の表す意味合いです。
そこから転じて「指定された共通する形」という意味合いもあります。
指定された申請書の書き方を「申請書の様式」というように何かのために定められた形や基準を表す言葉です。
「フォーマット」とは?
「フォーマット」とは、「形式のルール」を意味する言葉です。
「フォーマット」の使い方
「段落の最初の文字は一段下げる」「五七五の17文字にまとめる」など、何かを行う上で定められたルールやルールに従って表わされる定型のことを「フォーマット」といいます。
フォーマットは行動に対する制限であると同時にそれにそって従えば問題なく進むための決まりであり、物事を滞りなく進めるために必要なルールを指します。
一般的には「構成」や「形式」といった意味で使われますが、これらは効率を追求したルールに従う結果として表れたものであり本来は大枠としての形を意味するものではなく定められたルールに従った結果として決まる枠が「フォーマット」に当たります。
「様式」と「フォーマット」の違い
「様式」と「フォーマット」はどちらも物事の形や枠組みを意味する言葉として使われますが、「様式」が最終的な完成形を示しそれに従うのに対し、「フォーマット」はルールや道筋を示しそれに従うことで最終的な完成型にたどり着くという違いがあります。
最終的なゴールから逆算していくことで導き出される形式が「様式」、ルールを当てはめていくことで完成形に行き当たるのが「フォーマット」です。
例えば空欄を埋めていけば完成するようなあらかじめ用意された書類は「様式」、書き方のルールが示され白紙の状態から作り上げていくようなものは「フォーマット」と表現します。
「様式」の例文
・『書類の様式を確認する』
・『独特な建築様式で建てられた屋敷』
「フォーマット」の例文
・『フォーマットに従って書類を作成していく』
・『フォーマットが変わると仕事の効率が落ちる』
まとめ
「様式」と「フォーマット」は非常によく似た意味を持つ言葉ですが厳密に比べるとはっきりした違いが見られます。
厳しく使い分けられることは少ないものの異なるニュアンスを含むので、それぞれの正しい意味を知っておきましょう。