「優遇」と「贔屓」は似たような意味で使われる言葉ですが、具体的にどのような違いて区別されているのでしょうか。
今回は、「優遇」と「贔屓」の違いを解説します。
「優遇」とは?
「優遇」とは、「他と区別して優先的な待遇を与えること」を意味する言葉です。
「優遇」の使い方
「優遇」とは優先して遇する、つまり有利な特別扱いをすることを意味します。
与える行き条件が本人にとって好ましく有利なものであるだけでなく丁寧な扱いや手厚い待遇など対応が上質であること、また多くの人がいる場合は順番を先に回すことも含みます。
一般的には特定の人、具体的には一定の条件を満たした人を対象にする時に使われる表現で「経験者優遇」「税金を優遇する」といったように条件を満たしていない人たちは普通に扱われるが条件を満たしている人の特別な対応することを示す表現です。
容易に扱われ特別なもてなしを与える意味を持つ言葉ですが、必ずしも結果を保証するものではありません。
「経験者優遇」という場合は経験者が優先されたり面接で加点が与えられたりなど有利なそっちを受けられることを意味しますが、あくまでも優先されるだけです。
他の人と比べて出来が悪ければ試験に落ちる可能性もありますし、給料などで優遇されたとしてもその程度は上乗せレベルのもので明らかな格差がつくのではありません。
「贔屓」とは?
「贔屓」とは、「気に入った相手を特別扱いし不平等な形で有利に扱うこと」を意味する言葉です。
「贔屓」の使い方
全ての人を平等に扱わなければいけない時にある特定の人の利益を優先したり手厚くもてなしたりすることを「贔屓」といいます。
一般的には合理的な理由がなく行われる不公平な扱いを指す言葉で権力を利用して目をかけたものに利益を与えることを「贔屓する」、権力者などに取り入り特別扱いしてもらうことを「贔屓される」と表現します。
「贔屓」は不平等な振る舞いであり排除すべき行いです。
「贔屓」が起きると正しい結果が歪められてしまい全体で見た時の不利益が大きくなります。
全体のうち特定の個人によって発生してしまうため防ぐには厳重なチェックが必要です。
「優遇」と「贔屓」の違い
どちらも一部の人たちのみを特別に扱うことを意味しますが特別扱いに合理的な理由があり正当なものを「優遇」、一部の人間が勝手な判断で行う正しくない特別扱いを「贔屓」と区別しています。
「優遇」の例文
・『運転免許の保有者を優遇して採用する』
・『同盟国が優遇されそれ以外の国は後回しにされた』
・『住民税非課税世帯は税金の優遇措置を受けている』
・『地元出身者を優遇する』
「贔屓」の例文
・『教師の贔屓が目に余る』
・『贔屓の役者が出演する舞台を鑑賞する』
・『上の者が贔屓すると現場の士気が下がる』
・『ひいき目に見ても決して上手いとは言えない絵』
まとめ
「優遇」と「贔屓」はどちらも特別扱いを意味する言葉ですが正当性や合理性に大きな違いがあります。
使い方を間違えるとトラブルになりかねません。
正しい意味を知って使い分けてください。