「たのしむ」は「楽しむ」と「愉しむ」の二つの表記がありますが、どのように使い分ければよいのでしょうか。
この記事では、「愉しむ」と「楽しむ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「愉しむ」とは?
「愉しむ」【たのしむ】とは、自分の好きなこと、関心のあることをして楽しい気持ち、愉快な気持ちを味わうことです。
「愉しむ」は、たのしい、愉快なことを意味する「愉し」【たのし】の動詞形です。
また、漢字の「愉」は「心からたのしむ、喜ばしいことをする」という意味を持ちます。
このような言葉の成り立ちから「愉しむ」は「自分が心から楽しめることをして、愉快な気持ちになる」という意味を表します。
「愉しむ」は基本的に同音異語の「楽しむ」と同じ意味で使われます。
ただし漢字の「愉」を使った「愉しむ」は「楽しむ」よりも「愉快な気持ちになる」というニュアンスが強く、自分の意志でしたいと思う行動を選び、その結果におもしろさや充実感を得ている様子を表しています。
「楽しむ」とは?
「楽しむ」【たのしむ】とは、楽しいと感じること、楽しいことをして喜びや満足を得ることです。
「楽しむ」はたのしい、愉快なことを意味する「楽し」【たのし】の動詞形です。
また、「たのしい」は「喜ばしい、満ち足りた気持ちになること」を意味します。
このような言葉の成り立ちからも「楽しむ」は、なんらかの経験に伴って喜びや満足感を得る様子を表していることがうかがえます。
一般に「楽しむ」は「休日を楽しむ」「景色を楽しむ」のように、心地良い体験をして喜ばしいと感じる様子を表します。
また、自分が望んで好きなことや楽しいと感じる行動をとり、愉快な気分や満足感を得ることを「楽しむ」といいます。
具体的には「サイクリングを楽しむ」「買い物を楽しむ」などが挙げられます。
「愉しむ」と「楽しむ」の違い
「愉しむ」と「楽しむ」の違いを、分かりやすく解説します。
「愉しむ」と「楽しむ」はどちらも「たのしむ」と読み、基本的にはどちらも「たのしいと感じること」を表します。
意味はほぼ同じですが、通常は一般的な表記の「楽しむ」のほうが用いられます。
「愉しむ」と「楽しむ」の微妙な違いは、「愉」と「楽」の持つ意味にあります。
「愉」は「心からたのしむ」という意味があり「愉しむ」は「自分の好きなことをして喜びや充足感を得る」というニュアンスを持ちます。
「楽」は「喜びや心地良さを感じる」ことを意味し、「楽しむ」は「受動的な経験も含め、なんらかの行動に伴って喜びや満足感を得ること」を表します。
つまり「愉しむ」はどちらかというと「趣味や娯楽、自分の関心ごとを通して楽しさ、面白さを得ること」を指しているところが「楽しむ」と少し異なっているのです。
まとめ
「愉しむ」は「楽しむ」とほぼ同じ意味を持っており、一般には平易な「楽しむ」が用いられます。
「楽しむ」と表記して間違いにはなりませんが、より深みのある文章に仕上げたい場合は「楽しむ」と「愉しむ」を使い分けるとよいでしょう。