似たような字面である「心づもり」と「心構え」ですが、違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「心づもり」と「心構え」の違いを分かりやすく説明していきます。
「心(こころ)づもり」とは?
「心づもり」とは、「予め心で立てていた計画」や「事前に心の中で抱いていた意図」などの意味を指す言葉です。
「心づもり」の「づもり」は「積(つ)もり/積(つも)り」とも書き、「○○のつもり」のような形でよく使われています。
「積もり/積り」には以下の意味が含まれています。
・予め心の中で抱いている考えや意図。
・実現していないのに、実現したと仮定した気持ち。
・見積りや予想を立てて計算すること。
・積もること、重なること。
・酒宴などで、その酌で終わりにすること。
・限度、限り。
このように、「積もり/積り」には複数の意味があり、その中に「心づもり」と同じような意味である「予め心の中で抱いている考えや意図」が含まれています。
そのため、「心づもり」のことを指して「積もり/積り」と表現するケースもあるようです。
「心づもり」の使い方
「心づもり」は主に「心の準備」という意味で使われることが多く、「心づもりをしておく」や「心づもりがあります」のように表現されます。
また、相手に対して「心の準備」を頼むときは「心づもりをお願いします」や「心づもりをしておいてください」などのように表現されます。
「心(こころ)構(がま)え」とは?
「心構え」とは、「何かに対して予め心の準備をしておくこと」や「事前に覚悟を決めておくこと」を意味する言葉です。
「構(かま)え」という言葉には以下の意味が含まれています。
・予想される物事に対処するための備え。
・武道や格闘技などの姿勢、すぐさま有効な動きがとれるように整えた体の格好。
・つくりごと、計略。
・家屋などの外観や造り、構造。
このうち、「心構え」における「構え」は「予想される物事に対処するための備え」を指し、「心構え」は文字通り「物事に対処するために予め心の備えをしておくこと」を表した言葉と言えます。
「心構え」の使い方
「心構え」は先述した「心づもり」と同じように「心の準備」という意味で使われることもあれば、「心掛け」や「心得」と同じく「普段からの心の持ち方」という意味で使われることもあります。
「心づもり」と「心構え」の違い
・「心づもり」とは、「予め心で立てていた計画」や「事前に心の中で抱いていた意図」などの意味を指す言葉です。
・「心構え」とは、「何かに対して予め心の準備をしておくこと」や「事前に覚悟を決めておくこと」を意味する言葉です。
いずれも「心の準備」という意味で使われることが多いですが、「心構え」の方は「心掛け」や「心得」という意味で使われるケースもあります。
「心づもり」の例文
・『彼は小さい頃から父親の後を継ぐ心づもりがあったようだ』
・『ある程度不測の事態に見舞われる心づもりはしておく必要がある』
・『おじいさまの容態ですが、いつ急変してもおかしくない状況ですので、ご家族の方は心づもりをしておいてください』
「心構え」の例文
・『念のため、災害が起きた時の心構えをしておいたほうが良い』
・『自分の仕事に対して、彼は心構えができていなかったようだ』
・『彼女は講演に際し、アスリートとしての心構えを語った』
まとめ
「心づもり」も「心構え」も主に「心の準備」という意味で使われている言葉でした。
「心づもり」は「積もり/積り」と表現されることもあり、「心構え」は「心の準備」の他、「心掛け」や「心得」と同じような意味で使われることもあります。