「虎」と「ライオン」の違いとは?分かりやすく解釈

「虎」と「ライオン」の違い動物・植物・昆虫

猛獣のツートップ「虎」「ライオン」は、その風貌のほかにどのような違いがあるのでしょう。

この記事では、「虎」「ライオン」の違いを分かりやすく説明していきます。

「虎」とは?

「虎」【とら】は、ネコ科ヒョウ属に分類される大型ネコ類の一種です。

英語では“Tiger”(タイガー)と表記します。

主な生息地は東アジア、東南アジア、ロシア東北部で、インドに生息するベンガルトラ、ロシアに生息するアムールトラ、インドネシアに生息するスマトラトラなど9つの亜種が確認されています。

多くの亜種が絶滅の危機に瀕しており、中にはバリトラ、ジャワトラなどすでに絶滅したものもいます。

体長は170~310cm、体重は180~300㎏程度とネコ科最大の大きさを誇ります。

そして、被毛は黄褐色に黒の横しまが特徴です。

肉食獣である「虎」は、背景のやぶに溶け込んで獲物に見つかりにくくするため、このようなしま模様になったと考えられています。

地域によって生態は異なりますが、主に森林、湿原などに生息し、狩りをしてほかの動物をエサにしながら生活をしています。

性格はどう猛で、人や物に危害を与える可能性のある「特定動物(危険な動物)」に指定されています。

実際に「虎」の生息地では人が襲われる事故が後を絶ちません。

一方、「虎」は強さ、おそろしさの象徴としてあがめられ、中国の百獣の王、十二支の寅などさまざまな故事成語や物語に登場しています。

また黄色と黒のしま模様を「とら模様」と呼ぶなど、私たちになじみの深い動物のひとつとなっています。


「ライオン」とは?

「ライオン」はネコ科ヒョウ属に分類される大型ネコ類の一種です。

英語では“Lion”と表記します。

主な生息地はアフリカのサバンナ、インド北部です。

かつてはヨーロッパなどにも「ライオン」が生息し、現在は数種の亜種が絶滅したとされています。

体長は160~250cm、体重は120~240㎏程度、オスのほうが体が一回り大きく、被毛は全体的に褐色で、オスは頭部にたてがみがあります。

「ライオン」は砂漠や草原に「プライド」と呼ばれる群れをなし、オスは縄張りを守り、メス達は集団で狩りをしながら生活をします。

「虎」と同様に「特定動物(危険な動物)」に指定されていますが、人を襲うことは少なく、飼育すれば人に慣れさせることも可能です。

「ライオン」は動物の中で最も強く、オスが風格のある風貌をしていることから「百獣の王」と例えられます。

古くから、権力や強さの象徴として人々にあがめられてきました。

ちなみに、野生の「ライオン」は生息数が減ってきているため、禁猟区を設置するなどの保全が行なわれています。


「虎」と「ライオン」の違い

「虎」「ライオン」の違いを、分かりやすく解説します。

「虎」「ライオン」はどちらもネコ科ヒョウ属に分類される大型のネコ類です。

ほかの動物を捕食して生きる肉食獣で「百獣の王」と呼ばれる風格を持っています。

「虎」は黄褐色に黒のしま模様、「ライオン」はオスの頭部にあるたてがみが特徴で、外見からも生物学的に種類が違うことは一目瞭然です。

また「虎」は主にアジア、「ライオン」はアフリカのサバンナに生息するなど、野生種が分布する地域も異なります。

「虎」は、主に森林や湿地で単独行動をしますが、「ライオン」は草原や砂漠で「プライド」と呼ばれる群れをなして生活をします。

ヒョウ属には「虎」「ライオン」のほか「ヒョウ」「ジャガー」もいますが、互いに似た風貌を持ちながら、それぞれ生息地や特徴には違いがみられます。

まとめ

「虎」「ライオン」はどちらも強い動物の象徴で「百獣の王」と呼ばれますが、意外に共通点は多くありません。

同じネコ科ヒョウ属の肉食獣でも、種類や生息地、習性にははっきりした違いがあるのです。