「幻覚」と「妄想」には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「幻覚」と「妄想」の違いを分かりやすく説明していきます。
「幻覚」とは?
「幻覚」には「まぼろし」という言葉が用いられています。
そして、「覚」は視覚や聴覚、嗅覚などを意味しています。
「幻覚」は、このような視覚などに直接的な刺激が発生していないにもかかわらず、まるで見えているように。
まるで、聴こえているかのように感じることを意味します。
「幻覚」の症状は人それぞれです。
部屋に自分ひとりしかいないにも関わらず大勢の人の声が聞こえる「幻覚」。
目の前に誰もいないにもかかわらず相手が見え話しかけるような「幻覚」など、ひどい場合には適切な治療が必要な医学用語となります。
「幻覚」の使い方
「幻覚」を用いた言葉はたくさんあります。
「幻覚体験」や「幻覚症状」。
「幻覚状態」や「幻覚剤」などがあります。
また、使い方としては「幻覚を見る」や「幻覚に襲われる」などとなります。
「妄想」とは?
「妄想」とは、頭の中で、あれこれと根拠もないようなことについて想像することを意味します。
現実にはあり得ないことを勝手に想像することで、その内容は良いことだけでなく悪いことも含まれます。
良いことばかりを「妄想」すると幸せな気分になることができます。
しかし、反対に嫌なことばかり妄想してしまうと、実際には何も起きていないにもかかわらず気持ちが落ち込み暗い気持ちになってしまいます。
健常な人の「妄想」ならば何も問題はありませんが精神的な疾患を持つ人の「妄想」の場合、危険な場合もあるため注意しなければなりません。
「妄想」の使い方
「妄想」を用いた言葉はたくさんあります。
「被害妄想」や「妄想癖」。
「罪業妄想」などがあります。
また、使い方としては「妄想する」や「妄想にふける」、「妄想が激しい」などとなります。
「幻覚」と「妄想」の違い
「幻覚」は視覚や聴覚などに影響を与えるものを指します。
実際にこれらの器官に刺激が起きていないにもかかわらず刺激が起きていると勘違いし、ないものが見えたりない音が聞こえたりします。
一方、「妄想」に視覚や聴覚は関係ありません。
単に頭の中で色々と想像することを「妄想」と言います。
そのため、「幻覚」は治療が必要な場合が多くなりますが、「妄想」の場合、基本的に治療は必要ありません。
「幻覚」の例文
・『一人暮らしが長い母は、時々、幻覚症状に悩んでいるそうです』
・『幻覚症状が現れたため専門医に相談しました』
・『今回、初めて幻覚状態が長時間続き焦りました』
・『急に父が幻覚が見えると言い出したので病院で精密検査を受けることにしました』
「妄想」の例文
・『彼女は被害妄想が激しくて少し面倒です』
・『私は今、恋愛妄想ゲームにはまっています』
・『彼は少し妄想癖があるようです』
・『妻の被害妄想は度が過ぎます』
まとめ
現実のことではないといった共通点があるものの、その中身は全く異なった内容を指す言葉となります。