「玉露」と「抹茶」の違いとは?分かりやすく解釈

「玉露」と「抹茶」の違い食べ物・飲み物

おもてなし用の日本茶としておなじみの「玉露」「抹茶」は、どのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、「玉露」「抹茶」の違いを分かりやすく説明していきます。

「玉露」とは?

「玉露」【ぎょくろ】は緑茶の一種で、「山本山」の六代目が江戸時代に開発した高級茶の商品名です。

「玉露」という名前は、開発当時の「玉の露」という商品名に由来しているといわれます。

六代目山本嘉兵衛が製茶をしているとき、茶葉を丸くあぶったものが通常の煎茶にない素晴らしい出来栄えになりました。

そのお茶を「玉の露」という名前で販売し、後に「玉露」と呼ばれるようになったといわれています。

「玉露」の特徴は、美しい水色、渋みが少なくまろやかな甘みがあるところです。

「玉露」は通常の煎茶に比べ、うま味成分の「テアニン」が多く苦味・渋み成分の「カテキン」が少ないため、うま味や甘味が強く感じられます。

茶は光合成によってテアニンがカテキンに変わりますが、「玉露」を栽培する際は日光を一定期間遮断し、光合成を抑えてテアニンがカテキンになるのを防ぎます。

こうすることでテアニンが豊富な「玉露」が作られますが、通常の煎茶に比べて手間暇がかかるため、必然的に価格も高くなっています。

ちなみに通常の煎茶は熱い湯を使って淹れますが、「玉露」だけは少し冷ました湯で淹れる必要があります。

これは、熱い湯を使うと苦味が出てしまい、「玉露」が持つ濃厚な甘みが活かせなくなるためです。


「抹茶」とは?

「抹茶」【まっちゃ】は、蒸した茶葉を乾燥させてから細かい粉末状に挽いた緑茶、または、粉末状の「抹茶」に湯を注いで茶せんで点てた飲み物を指します。

粉末状の「抹茶」は、蒸した茶葉を乾燥させた「てん茶」を茶臼で挽き、細かい粉末状にしたものです。

「抹茶」用の茶を「玉露」用の茶を栽培する時と同様に、日光が当たらないよう一定期間遮断します。

こうすることで葉が鮮やかな緑色になり、てん茶を挽いた時に美しい緑色の「抹茶」に仕上がります。

「抹茶」は茶室で客をもてなす飲み物として供されるもので、日本では「抹茶」を用いた「茶道」が発達しました。

また「抹茶」は飲み物に利用されるだけはなく、デザートや料理に和風の風味を付けるためにも広く用いられています。

緑茶は健康に良いカテキン、テアニン、ビタミンCなどを豊富に含みま、「抹茶」を飲むと緑茶の栄養を丸ごと摂取できるメリットが得られます。

ただしカフェインが多く含まれ、カフェインの影響で不眠などの不快な症状が起こりやすくなるため、飲み過ぎには注意が必要です。


「玉露」と「抹茶」の違い

「玉露」「抹茶」の違いを、分かりやすく解説します。

「玉露」「抹茶」はどちらも緑茶の一種ですが、製法や茶葉の形態が異なります。

「玉露」は、うま味と甘みの強い高級な緑茶です。

きゅうすに茶葉を入れ、少し冷めた湯を使って茶を淹れます。

「抹茶」は、緑茶を石うすで細かく挽いた粉末状の緑茶です。

茶道に用いられ、湯を注いで茶せんで泡立てたものを供します。

どちらも緑茶の中では高価で、普段用の茶というよりは、客をもてなすための特別な茶として位置づけされています。

まとめ

「玉露」は緑茶の王様と呼ばれるうまみと甘みの強い高級茶、「抹茶」は緑茶をまるごと粉末状に挽いたものです。

茶葉の形態は異なりますが、どちらも同じ緑茶です。