誰もが和服や小物などで目にしたことのある「格子柄」と「市松模様」は、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「格子柄」と「市松模様」の違いを分かりやすく説明していきます。
「格子柄」とは?
「格子柄」【こうしがら】とは、縦と横のしまを周期的に組合せた幾何学模様のこと。
「格子縞」【こうしじま】、英語では「チェック」ともいいます。
とも呼ばれます。
「格子」は、木材や鉄を等間隔で縦と横に規則正しく並べてつくられた建具のことです。
窓や扉、装飾用の建具などに用いられ、基盤の目のようなすき間があります。
外部と遮断する仕切りの役割だけでなく、そのすき間から採光したり風を通したりする役割があり、古くから日本家屋に用いられてきました。
「格子柄」は、縦と横のしまを組みあわせた文様が、格子に似ていることからそのように呼ばれています。
「格子柄」は2色以上のしまや線が交差し、色の組み合わせ、しまの太さ、しまの間隔の幅などによって無限の組み合わせが成立します。
縦と横の筋が交差して碁盤の目のような柄を織りなす「碁盤縞」、濃淡を持つ2色のしまが交差する「弁慶縞」、飛ぶ鳥が連なっているように見える「千鳥格子」などが有名です。
また、江戸時代には、人気のある歌舞伎役者が着ていた格子柄にはその役者の名前を付けた「菊五郎格子」や「市村格子」などの「役者格子」も流行していました。
「市松模様」とは?
「市松模様」【いちまつもよう】は、2色の正方形を交互に配列した文様のこと。
日本の伝統的な「格子柄」のひとつで、西洋では「ブロックチェック」と呼ばれます。
「市松模様」という名前の語源は、江戸時代の歌舞伎役者・佐野川市松にあります。
市松が舞台衣装として白と紺色を組み合わせた「格子柄」を着ていたことから、その名が付けられました。
当時は石畳と呼ばれていましたが、後に「市松模様」または「市松格子」と呼ばれるようになりました。
「市松模様」の魅力はシンプルでありながら、正方形の大きさ、色の組み合わせによって柄の雰囲気がガラッと変わるところです。
大きい正方形を組み合わせたものは大胆かつポップな印象があり、小さな正方形を組み合わせたものは上品でどのような衣装にも取り入れやすいといった特徴があります。
同じ柄が途切れなく続くことから繁栄を連想させ、縁起の良い模様としても人気があります。
ちなみに2020年に大ヒットしたアニメ「鬼滅の刃」の主人公が着ていた着物の柄も黒と緑の「市松模様」です。
「格子柄」と「市松模様」の違い
「格子柄」と「市松模様」の違いを、分かりやすく解説します。
「格子柄」と「市松模様」は、日本の伝統的な幾何学模様です。
「格子柄」は2色以上の縦横のしまが規則正しく交差している文様で、建具の「格子」に似ていることからその名称がつけられました。
色、しまや間隔の幅の組み合わせによって、さまざまな種類が存在します。
そして「市松模様」はその「格子柄」の一種です。
2色以上の正方形を交互に並んでいるところが特徴で、西洋では「ブロックチェック」と呼ばれています。
まとめ
「格子柄」は日本の伝統的な文様、「市松模様」はその「格子柄」の一種です。
どちらも私たちが日常でよく目にする柄なので、ぜひ名称を覚えておくと良いでしょう。