「書院造」と「寝殿造」の違いとは?分かりやすく解釈

「書院造」と「寝殿造」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「書院造」「寝殿造」の違いを分かりやすく説明していきます。

「書院造」とは?

「書院造」は、書斎というものが作られ始めた建築物で、この時期から間取りに壁という概念が生まれます。

なぜ壁が生まれたかですが、この建物は、貴族の方の住居ではなく、武士のような方の住居になりますのでプライバシーに配慮をすることを優先したが故、壁の概念があるのです。

また、壁のほかに畳が本格的に室内に導入されたのも、「書院造」です。

後、壁がありますので、障子というものを導入して室内の出入りをする扉があるのもこの建築物の特徴です。


「寝殿造」とは?

「寝殿造」は、屋根と柱で構成された住居のことで平安時代に考え出された住居のことです。

この住居の特性は、自然とのふれあいなので、あえて壁というものが無いのが特徴で、屋根もかなり高く設置してあります。

なぜ、壁が無いの?という疑問が沸くと思いますが壁が無い理由は、貴族の方が宴会をする際、壁があると邪魔になりますのでこの考え方は、キャンプ場でバーベキューを楽しむ際、屋根と柱があればそれでよく逆に壁があると邪魔だと考えるのと同じです。

ちなみに、「寝殿造」は扉の概念が無いため、すだれで外敵の侵入を防ぐという方法を取っていました。


「書院造」と「寝殿造」の違い

両者の違いは、建物に壁の概念があるかどうかです。

「寝殿造り」は、開放感重視でこれは貴族が宴会をするために開放的です。

一方、「書院造」は現代風の建築物で畳というものもありますし、きちんと壁で室内空間を分けるなどの取り組みもしています。

ちなみに、障子という窓の設置も「書院造」の特徴で「書院造」は窓という概念があり現代の建築物と変わらない特性があります。

まとめ

「寝殿造」に関しては、これはいかに大勢の方を招き入れて宴会を楽しめるかというコンセプトで構成された住居です。

無論、宴会においては、オプションという形で宴会場を室内から室外にして室外で宴会を楽しむことも念頭に置いたのが「寝殿造」になるので、池のようなものや異様に庭が大きいのは、宴会用のオプションです。

よって「寝殿造」は一応住まいなんですが、かなり不便で宴会をするという目的にのみ有効な住まいになります。

一方で「書院造」は、武士のような方の住まいなのでプライベートを第一と考え、壁という概念が登場します。

壁があるということは扉もあるということになり、扉の変わりは、今でいう障子が扉の代わりを務めました。

しかも、「書院造」は、居住スペースを壁で仕切りつつ、室内の空間の快適性を高めるため、現在使用されている畳を導入しています。

よって、室内の快適性をかなり重要視しつつプライバシーも守るという概念がある、「書院造」のほうが現代の建築物に近いのです。

なお、住居の作り方自体は、実は両者とも同じでして高い位置にある屋根に、立派な柱で建物を支える点に木造である点が同じです。