米料理の「リゾット」と「雑炊」はどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「リゾット」と「雑炊」の違いを分かりやすく説明していきます。
「リゾット」とは?
「リゾット」は、イタリア米と食材を炒めてから水分を加えて炊いたイタリアの代表的な米料理です。
イタリア語で“risotto”と表記します。
ヨーロッパでは稲作に不向きな地域が多いなか、イタリアやスペインでは米の栽培に成功することができたため、米を使った料理が食べられるようになりました。
そのひとつが「リゾット」です。
日本のうるち米とはタイプの異なる粘りの少ないイタリア米を研がずにバターなどで炒め、野菜や肉などの食材、ブイヨンと一緒に水分がなくなるまで炊いて調理します。
炊きあがった米は少し芯が残るアルデンテでスープが少ないところが特徴です。
なおイタリア料理において日本の「雑炊」のように水分が多いものは、「リゾット」より「ズッパ」という料理のほうが近くなります。
「ズッパ」は具だくさんのスープに米やパンなどをひたしたスープ料理です。
日本ではご飯をスープや食材と一緒に煮たもの、鍋料理の後の残り汁にご飯を入れて洋風に味付けしたものが「リゾット」風と呼ばれることもあります。
これはイタリア料理の「リゾット」というより「雑炊」や「おじや」に近い料理になります。
「雑炊」とは?
「雑炊」【ぞうすい】は、ご飯をだしや食材と一緒に煮た日本の米料理です。
「雑炊」という名前の語源については諸説がありますが、残り物のご飯に水を足してかさ増しして作ることから「増水」【ぞうすい】と呼ばれていたものが「雑炊」に転じたといわれています。
「雑炊」の基本的な作り方は、鍋にだし汁と調味料、ご飯を入れ、野菜、肉、海鮮などの食材を加えてさっと煮るというものです。
溶き卵でとじたり刻みねぎ、三つ葉などの薬味を散らすこともあります。
水分と一緒に煮ることでご飯が軟らかくなり、消化されやすくなることから、療養中の食事、夜食などに利用されてきました。
飲食店や家庭で鍋料理をした後は「鍋のしめ」として、残り汁にご飯や溶き卵を入れ「雑炊」にして食べる形式も定番になっています。
ちなみに「おじや」は「雑炊」とほぼ同じ料理とされています。
「リゾット」と「雑炊」の違い
「リゾット」と「雑炊」の違いを、分かりやすく解説します。
「リゾット」と「雑炊」は、米に多めの水分、調味料、食材を加えて炊いた米料理です。
雰囲気は似ていますが発祥した国、調理法が異なります。
「リゾット」は、イタリア米を炒めてからスープ、食材と一緒に炊くイタリア料理です。
「雑炊」はご飯をだし汁、調味料、食材と一緒に煮る日本料理です。
「リゾット」は生の米を油で炒めてから炊くところ、仕上がりは水分が少なくご飯に粘りが出ないところが「雑炊」と異なります。
まとめ
「リゾット」はイタリア料理、「雑炊」は日本料理という点が異なっています。
それだけでなく「リゾット」は粘りの少ないイタリア米を炒めてから炊く、「雑炊」は炒めずにご飯を出だし汁と一緒に煮る、と言った調理法の違いもあります。