この記事では、「否定」と「拒絶」の違いを分かりやすく説明していきます。
「否定」と「拒絶」の違い
「否定」と「拒絶」の違いについて紹介します。
「否定」と「拒絶」の使い方の違い
「否定」は、「人の意見やある状況を認めないこと」に使われます。
「そうではない」とはっきり打ち消すことを言います。
「拒絶」は、「自分にやってくる人や物を受け入れないこと」を言います。
「嫌です」「いりません」とはっきり断ることを言います。
「否定」と「拒絶」の英語表記の違い
「否定」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「deny」で、「否認する」「否定する」という意味です。
“She denied that his explain was true.”
(彼女は彼の説明が本当ではないと否定した)
2つ目は「negate」で、「打ち消す」「否定する」という意味です。
“He negated my opinion.”
(彼は私の意見を否定した)
「拒絶」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「reject」で、「断る」「拒絶する」という意味です。
申し込みや申請など、人の意向に対して使われることが多くなります。
“My request for a paid vacation was rejected.”
(有給休暇の申請は拒絶された)
2つ目は「refuse」で、「拒否する」「拒絶する」という意味です。
“She refused my help.”
(彼女は私の助けを拒絶した)
「否定」の意味
「否定」は「ひてい」と読み、主に以下の3つがあります。
1つ目は「そうではないと打ち消すこと」という意味で、人の意見やある状況などをはっきり「認めない」と意思表示することを言います。
日常ではこちらの意味で使われることがほとんどです。
2つ目は「倫理学で、主語と述語の関係が成立しないこと」という意味です。
3つ目は「文法で、打ちけしの意味を持つ言葉のこと」という意味で、「非」「不」「無」などがあります。
「否定」の使い方
「否定」は、「そうではないとはっきり打ち消すこと」に使われます。
「否定する・した」「否定される・された」と使われたり、副詞として「否定して」と使われたりします。
「否定的」は、すぐにものごとを打ち消す傾向のある人に対して使われます。
「拒絶」との違いは、最初から受け入れないのではなく、ものごとと向き合って「それは違う」と自分の意見を述べるという点です。
「否定」を使った例文
・『彼女はすぐに人の意見を否定するので嫌われている』
・『彼は最初から否定するつもりで人の話を聞いている』
・『なにごとにも否定的な考えを持つ上司と付き合っていられない』
・『いくら仲が悪くても人格を否定する様なことを言うのは良くない』
・『英語はとりあえず「not」を付けておけば否定形で通じる』
「否定」の類語
・「NG(えぬじー)」
「No Good」の略で、「映画やテレビの撮影で失敗したシーンのこと」から転じて、「良くないこと」「してはいけないこと」という意味です。
・「ダメ出し(だめだし)」
「人に対して欠点ややり直しを指摘すること」という意味です。
「否定」の対義語
・「肯定(こうてい)」
「その通りであると認めること」という意味です。
「拒絶」の意味
「拒絶」は「きょぜつ」と読みます。
意味は「相手のお願いや要求を受け付けないこと」です。
相手から申し入れがあったり、何か働き掛けられた時に、全く受け付けないことを言います。
ただ受け付けないだけではなく、「嫌です」「いりません」ときつく断る時の表現です。
最初から聞く耳を持たない状態を表し、かなり強い意味を持つ言葉です。
「拒絶」の使い方
「拒絶」は「相手からのお願いや働き掛けを全く受付けないこと」に使われます。
「拒絶する・した」「拒絶される・された」と使われたり、副詞として「拒絶して」と使われたりします。
相手に対して考えたり議論したりする余地は全くなく、最初から断固断る姿勢に対して使われる言葉です。
「拒絶」を使った例文
・『社長と会談を希望したが拒絶されてしまった』
・『彼女は周囲の人に心を開かず全て拒絶してしまう』
・『今回はさすがに親の意見を拒絶して自分の思い通りにしたい』
・『せっかく助けて貰えるのなら拒絶せずに受け入れるべきだ』
・『ゴキブリだけはどうしても拒絶反応が出る』
「拒絶」の類語
・「突っぱねる(つっぱねる)」
「強く、ぶっきらぼうに断ること」という意味です。
・「跳ね除ける(はねのける)」
「弾くように勢いよく脇に押しやること」という意味です。
「拒絶」の対義語
・「承諾(しょうだく)」「相手から頼まれたり説得さたりしたりして、引き受けること」という意味です。
まとめ
今回は「否定」と「拒絶」について紹介しました。
「否定」は「認めないこと」、「拒絶」は「受け付けないこと」と覚えておきましょう。