「上梓」と「出版」の違いとは?分かりやすく解釈

「上梓」と「出版」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「上梓」「出版」の違いについて紹介します。

「上梓」とは?

上梓には、書物を出版するという意味があります。

版木に文字を刻むという意味もあり、中国から伝わった言葉と考えられます。

上梓の「梓」は、印刷する際の版木に使われた樹木のことを指しています。

日本語では「あずさ」と読みますが、漢語では「し」と読みます。

「上梓」「じょうし」と読みますから中国から伝わった言葉と考えられるのです。

日本でも古くから印刷の技術はありましたが、版木に使われていたのは、ヤマザクラやツゲの木でした。

中国で梓の木は百木の長として尊ばれていたようです。

天子の棺に用いられる木で、建築や印刷に欠かせないものでした。

本を出版することを「上梓する」といった使い方をします。

上梓はあまり一般的に使われている言葉ではなく、堅苦しいイメージがあります。

日常会話などで使われることはほとんどありませんが、出版業界などでは上梓を使うことも多いようです。

近年は、印刷物ではない電子書籍なども登場しましたが、上梓はそういった電子書籍にも使うことができます。


出版とは?

出版とは、販売したり配布する目的で文書や写真などの著作物を出版物として世に送り出すことをいいます。

出版物の種類は様々で、小説、写真集、雑誌、図鑑、辞書、漫画、画集など色々なジャンルがあります。

ただし、新聞や広告などは出版するとはいいません。

また、販売を目的にしておらず、無料で配布するものにも出版を使用することもあります。

出版事業を行っている会社のことを出版社といいます。

印刷技術が誕生するまでは、本というと写本によって伝えられていました。

一つ一つ書き写さなければならないので、とても大変な作業だったといえます。

ヨーロッパで活版印刷の技術が発展し、それが世界に広まっていったのです。

現在は電子書籍などのインターネットを使った電子出版なども行われています。

出版社を通さずに、著者自らが自分の作品を電子書籍として販売することもあります。

電子書籍はますます普及することが予測されるので、出版業界も大きな転換点を迎えています。

また、出版は広く使われている言葉で、日常会話などでも普通に用いられます。


上梓と出版の違い

上梓と出版はどちらも著作物を出版物として世に送り出すことをいいます。

その意味に大きな違いはありません。

ただし、上梓には堅苦しいイメージがあり、日常的に使われる言葉ではありません。

「上梓」という言葉を聞いてピンとこない人もいます。

出版業界では、「出版」よりも丁寧な印象を受けるので好んで使われています。

それに対して出版は、日常会話でも使われる言葉で広く知られています。

まとめ

上梓と出版は意味に違いはなく、著作物を出版物として世に送り出すという意味で使われています。

上梓の方が堅苦しいイメージがあり、出版業界以外ではあまり使われていません。

出版は日常会話などでも使われる言葉です。