日用品や電気機器の説明書で見かける「防水」や「耐水」は、どことなく同じ意味に思えますが、具体的にはどこが違うのでしょうか。
この記事では、「防水」と「耐水」の違いを分かりやすく説明していきます。
「防水」とは?
「防水」【ぼうすい】とは、物体の内側に水が入ってこないことです。
また、その性能は「防水性」と呼ばれます。
「防水」は漢字が表す通り「水を防ぐ」ことであり、用語としては「水から濡れないよう保護する」「水に濡れるのをくいとめる」ことを意味します。
一般には、繊維製品、電気機器、建物といった水に濡れると機能に差し支える物に対し、水に濡れても内側に水がしみこまない性能を備えていることを示して使用されます。
「防水」は、濡れてはいけない製品をある物質で覆うことで物理的に水がしみこむのを防ぎます。
また、その程度には段階があります。
たとえば、少し濡れる程度なら問題ない「日常生活防水」、水洗いした程度では水が入ってこない「生活防水」、水の侵入を完全に防いだ「完全防水」などの用語が用られます。
また、家電製品などに対しては「JIS防水保護等級」によって、どの程度濡れても機能に差し支えなく使用できるか性能の程度を9段階で示すよう定められており、「完全防水」は保護等級が8、「生活防水」は保護等級が4~7程度に相当しています。
「耐水」とは?
「耐水」【たいすい】は、物体に水がかかっても耐えることです。
またその性能は「耐水性」と呼ばれます。
「耐水」は、漢字が表す通り「水に耐える」ことであり、用語としては「水に強い」「水に濡れても水を通さない」といったニュアンスを持ちます。
一般には、雨具、アウトドア用品など使用中に水に濡れる可能性が高い製品に対し、水圧がかかっても変形や変質が起こらない、水に濡れても差し支えなく使用できる性能を指します。
英語表記は“waterproof”(ウォータープルーフ)です。
ファンデーションや日焼け止めなどは、水に濡れたり汗をかいたりしても落ちない、濡れても性能を維持することに対し「ウォータープルーフ」との表現が用いられています。
「防水」と「耐水」の違い
「防水」と「耐水」の違いを、分かりやすく解説します。
「防水」と「耐水」は、水に濡れても差し支えなく使用できる性能に関連した言葉です。
「防水」は「水を防ぐ」と書くことで分かるように「濡れたり水につかったりしても、水が中に入ってこない性能」を意味します。
「耐水」は「水に耐える」と書くように「水圧に強い、濡れても差し支えなく使える性能」のことです。
大きな違いは「防水」があくまでも「内側に水を通さない性能」のみを指しているのに対し、「耐水」は「内側に水を通したとしても耐えうる性能」を指しているところです。
ちなみに「防水」「耐水」と似た言葉に「撥水」【はっすい】もあります。
「撥水」は水をはじく性質のことで、水の粒を球状に維持して布にしみこみにくくする機能を指します。
防水性や耐水性はないため、圧力をかけるとしみこんだり破れたりする可能性があります。
製品の素材や用途に合わせ、「防水」「耐水」「撥水」のそれぞれの機能が施されているのです。
まとめ
「防水」と「耐水」はとてもよく似ていますが、それぞれの意味や機能は異なります。
「水を防ぐ」「水に耐える」と書き換えてみれば、ニュアンスの違いが分かりやすいでしょう。