味噌汁の具でおなじみの「あさり」と「しじみ」はよく似ていると感じる方が多いでしょう。
この記事では、そんな「あさり」と「しじみ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「あさり」とは?
「あさり」は、マルスダレガイ科アサリ属の二枚貝です。
日本沿岸を始め広い海域に生息しています。
「あさり」は主に干潟の砂浜や砂泥底に生息する貝で、味が良いため食用にされています。
殻の長さは6cm程になりますが、3~4cmの大きさで流通しているものが一般的です。
殻には放射線状の線や成長線が入り、色と模様はバラエティに富んで同じ色柄を持つものはありません。
食材としての「あさり」は、うま味成分のコハク酸やアミノ酸を豊富に含み、味噌汁、吸い物をはじめ、酒蒸し、ボンゴレ(パスタ)など幅広い料理にして親しまれています。
また、体に必要な鉄やマグネシウム、ビタミンB12を豊富に含み、滋養に良いことでも知られます。
「あさり」の旬は春や秋で、産卵期と重なるために特に大きくて旨みの詰まった身が楽しめます。
なお「あさり」といえば潮干狩りで採取する貝としてもおなじみですが、必ず許可された場所でルールを守って採取しなければなりけません。
「あさり」は時に貝毒を持つことがあるため、生息地や潮干狩り場は、定期的な検査によって毒性の有無が確認されています。
もちろん、販売されている「あさり」や検査済みの潮干狩り場で採取した「あさり」は無毒なので安心して食べられます。
ただし無毒であることが確認されていない地域で採取した「あさり」は貝毒が含まれる可能性もあります。
貝毒で食中毒を起こした場合は下痢やしびれなどの症状を引き起こすおそれがあるので、食用する際は注意が必要です。
「しじみ」とは?
「しじみ」はシジミ科シジミ属の二枚貝です。
日本、中国、韓国などの河口、汽水湖などに生息しており、日本には3種の在来種が生息しています。
日本で最も流通しているのは「ヤマトシジミ」です。
殻の長さは3cmほどで、外見はつやのある濃い褐色が特徴です。
河川や淡水の湖沼に生息する「マシジミ」は「ヤマトシジミ」より少し大きめで色も薄めです。
「セタシジミ」は、琵琶湖から流れ出る瀬田川で見つかるためその名がつけられています。
「しじみ」は食用され、特に「セタシジミ」の味が良いといわれています。
食材としての「しじみ」は、コハク酸やオルニチンなどのうまみ成分を含み、味噌汁、佃煮、炊き込みご飯などにして親しまれています。
またオルニチンには肝機能をサポートするはたらきがあり、貧血を防ぐ鉄も豊富に含まれているため、滋養に良い食べ物としても知られます。
近年は、外来種の侵入による在来種の交雑が懸念されるほか、流通している「しじみ」に輸入品が増えており、国内産の「しじみ」が減少する傾向にあります。
「あさり」と「しじみ」の違い
「あさり」と「しじみ」の違いを、分かりやすく解説します。
「あさり」と「しじみ」は日本人になじみの深い、殻の長さ3cm前後の二枚貝です。
雰囲気は似ていますが、種類、生息地などが異なります。
「あさり」は干潟に生息するマルスダレガイ科アサリ属の貝、「しじみ」は汽水や淡水に生息するシジミ科シジミ属の貝です。
どちらもコハク酸などのうま味成分を豊富に含み、味噌汁の具などで親しまれています。
「あさり」は身が大きいので酒蒸しやパスタの具などにしても食べごたえがありますが「しじみ」は身が小さいので、味噌汁はだしを出す目的で使われたり、むき身は集めて佃煮にされたりすることが多いです。
まとめ
「あさり」と「しじみ」は似て非なるものです。
間違えることは少ないと思いますが、生物として同じ仲間ではないということを覚えておきましょう。