私たちの日常生活には欠かすことのできない牛乳、様々な種類があり、近年では低脂肪乳や無脂肪乳だけではなく特定の栄養素が取れる特化タイプも増えてきました。
実はこれらはひとくくりにする事はできません。
この記事では、「加工乳」と「乳飲料」の違いを分かりやすく説明していきます。
「加工乳」とは?
主役はあくまでも牛乳であり、その脂肪分を調整したものが「加工乳」となります。
脂肪分調整に使用するのもあくまでも牛乳由来の乳製品なのが前提です。
脂肪分を除去、乳製品を添加する手間がかかり、コストは上昇するように思えますが、実際は逆。
雪印食中毒事件で商品名に牛乳が使えなくなったため、ミルク表記のものが潮流となっています。
「乳飲料」とは?
嗜好性の高いフレーバーや消費者のニーズに沿った特定栄養成分を付与。
いわゆる乳製品以外の成分を牛乳に規格に応じてブレンドしたものが乳飲料と言っていいでしょう。
ただしヤクルトや飲むヨーグルトなどは発酵乳として分類され別物になります。
「加工乳」と「乳飲料」の違い
この2つは昭和26年の乳等省令・昭和43年公正競争規約に基づいて分類がされています。
飲用乳を7つに分類。
そのうちの2つとして「加工乳」と「乳飲料」についても細かな規定がされてきました。
簡潔にいえば前者は乳成分に手を加えたものと言っていいでしょう。
後者は乳成分以外の要素にもメーカーが手を加えた嗜好性や特定栄養素特化タイプの商品が店頭に並ぶ代表的なものになります。
「加工乳」の特徴
・『あくまでも生乳が主役の飲料である加工乳』
「加工乳」は生乳を主原料とするのが前提。
消費者の嗜好性に合わせて加工が行われます。
主に添加するのは乳製品であり、脱脂粉乳、クリーム、バター等規定されたものになります。
・『主な加工乳の種類とは?』
低脂肪乳や特濃牛乳や濃いミルクなどと表記されるものがあたり、通常の生乳から脂肪分を調整したものが挙げられます。
脂肪分を他の乳製品に転用したり脱脂粉乳を混ぜる事により低価格化も特徴の1つであると言っていいでしょう。
「乳飲料」の特徴
・『嗜好性の多様化により消費者ニーズに沿った乳飲料』
「乳飲料」は原料が生乳なのは「加工乳」と変わりません。
しかし大きな違いは消費者ニーズに沿う形で牛乳由来以外の成分を足した飲み物となります。
古くから親しまれるコーヒー牛乳やイチゴ牛乳などはその代表例になりました。
・『近年伸び悩む牛乳消費の起爆剤となる?乳飲料』
牛乳の生産量、消費量は近年伸び悩みをみせています。
消費量が増えているのは健康志向に寄り添う形になった発酵乳の類です。
これに追随する形で乳飲料も健康志向にシフトしており、カルシウムやミルクプロテイン等特定栄養素を摂取できるものがニーズを集めています。
まとめ
「加工乳」の主役はあくまで牛乳、脂肪分を調整したものです。
またその調整に使用するのも牛乳由来のものでなくてはなりません。
対する「乳飲料」における牛乳は主体にしか過ぎず、消費者ニーズに沿った嗜好性が主役の飲料だと言っていいでしょう。