この記事では、「状態」と「状況」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「状態」と「状況」の違い
「状態」とは、そのときどき、ある時点での、物事のありようのことです。
「状況」も、そのときど、ある時点での、物事のありようのことです。
2つの言葉の意味はほぼ同じです。
たとえば、道路で交通事故があったとします。
ガードレールに車がぶつかり、車のフロントが凹んでいます。
このありさまのことを指して、「状態」とも「状況」ともいうことができます。
時間は常に流れていると考えられており、そのときどきで様子は変わります。
その変わっていく中の、ある一定の条件における様子のことが、「状態」や「状況」の意味です。
また、「状況」は人や物を取り囲んでいる、それらに影響を与える条件の意味もあります。
たとえば、ウイルスの感染が拡大しているときと、そうでないときでは、行動できる範囲が変わってきます。
世界中で感染が広がっているときには、そうでないときに比べて、海外に安易に出ることができません。
人を取り囲んでいる様子が影響を与えています。
このような意味も「状況」にはあり、その点が「状態」とは意味が異なります。
「状態」と「状況」の使い方の違い
ほぼ同じ意味を持っており、ほぼ同じように使われます。
「事故現場の状態」「事故現場の状況」のような使い方ができます。
会話でも小説などの文章でも使われています。
しかし、「患者の状態」とはいいますが、「患者の状況」とはいいません。
「状態」と「状況」の英語表記の違い
「状態」は英語で“state”や“conditions”と表現をします。
「状況」は英語で“situation”や“circumstances”や“conditions”と表現をします。
「状態」の意味
「状態」には、ある時点での人や物事のありようという意味があります。
「状」という漢字には、ありさま、ようすという意味があり、「態」という漢字には、すがた、かたち、ようす、ありさまという意味があります。
「健康状態」というときには、その時点での健康がどのような様子なのかといった意味になります。
毎日同じように感じていても、昨日と今日では若干体調に違いがあります。
そのときどきで、体の様子は変わっていくのです。
変わっていくことのある時点でのありさまのことを「状態」といいます。
「状態」の使い方
そのとき、そのときの、人や物事のありようのことを指して使用をします。
今、手には切り傷があります。
このことを指して「切り傷がある状態」といいます。
傷ができる前、傷が治った時点では、「傷のない状態」といえます。
そのとき、そのときで、人や物事は変化していき、変化していく中のある時点のありさまが「状態」です。
変化しないものについては「状態」という言葉を使用しないことが一般的です。
しかし、変化していないように見えても、人や物事は少しずつ変化をしています。
たとえば、東京タワーはずっと同じ場所に立っており、見た目もほとんど変わっていないように見えます。
しかし、わずかに塗装がはがれたりしているかもしれません。
少しずつですが、変化をしているのです。
「状態」を使った例文
・『危険な状態だ』
・『今の状態がずっと続くわけではない』
・『気温が高い状態が続く』
・『いい状態を保つことができた』
「状態」の類語
「状況」「様子」「情勢」が類語です。
「様子」には、人が見てわかるありさま、態度、兆候といった意味があります。
「情勢」とは、変化していく物事のある時点でのありさまのことで、社会や政治などについて使うことが多い言葉です。
「状態」の対義語
対義語はありません。
「状況」の意味
「状況」には、そのときどきで変わる、人や物事のありようという意味があります。
「況」という漢字は、ようす、ありさまという意味を持っています。
そのときどきで変わる人や物事によって、人や物事が影響を受けることがあります。
たとえば、経済のありさまが好調だったり、不調だったりすると、そのありさまが人に影響を与えます。
人や物事を取り囲み、それらに影響を与える条件という意味も「状況」にはあります。
「状況」の使い方
そのときどきで変わる、人や物事のありさまについて使用をします。
変化しないものには使用しないことが一般的です。
しかし、変化していないように見えても、そのときどきで人や物事は変化をしています。
「状況」を使った例文
・『状況によっては公演を中止する』
・『交通状況をお伝えします』
・『周囲の状況を確認する』
・『厳しい状況から抜け出せた』
「状況」の類語
「状態」「様子」「情勢」が類語です。
「状況」の対義語
対義語はありません。
まとめ
2つの言葉はほぼ同じ意味で、使われ方も似ています。
どちらの言葉も、日常的に使われている言葉です。