この記事では、よく似た料理のハッシュドビーフとビーフストロガノフの違いについて紹介します。
ハッシュドビーフとは?
ハッシュドビーフとは、薄くスライスした玉ネギと牛肉をドミグラスソースで煮込んだ洋食のことをいいます。
日本では、ご飯にかけて食べるのが一般的です。
ドミグラスソースで煮込むハッシュドビーフは日本独自のもので、日本生まれの洋食といえるでしょう。
日本でハッシュドビーフが生まれる前に、イギリスやアメリカなど欧米にはハッシュドビーフという料理が存在していました。
肉と野菜を煮込んだ料理のことをいい、残り物のローストビーフを使ったレシピも残されています。
日本でハッシュドビーフという名前が広く知られるようになったのは、大手食品メーカーのハウス食品がハッシュドビーフのルーを販売したためです。
これにより家庭でも手軽に食べられる洋食として定着しました。
ハッシュドビーフにライス(ご飯)を組み合わせ、ハヤシライスという言葉になったともいわれています。
そのためハヤシライスと呼ばれることもあります。
ドミグラスソースのものをハッシュドビーフといい、トマトベースのものをハヤシライスとして区別する場合もありますが、その境界は曖昧です。
ビーフストロガノフとは?
ビーフストロガノフは、ロシアを代表する料理として知られています。
薄く切った牛肉と玉ネギ、マッシュルームを炒めてスープと一緒に煮込み、仕上げにスメタナという発酵乳を加えた料理です。
スメタナは東欧でよく使われている発酵乳で、サワークリームのようなものです。
スメタナには酸味があり、仕上げに加えることで食べやすくなります。
最初からスメタナを加えて煮込んでしまうと酸味や風味がなくなるので、最後に加えます。
バターライスや揚げたじゃがいもを添えて食べることが多いです。
ロシア貴族だったストロガノフ家で生まれた料理といわれています。
ビーフストロガノフのビーフの語源は「ベフ」で、〇〇流とか〇〇風といった意味があります。
ビーフストロガノフは、ストロガノフ流ということになります。
牛肉のことを指しているわけではありません。
本場のロシアでは、鶏肉や豚肉などにアレンジした料理もあります。
ハッシュドビーフとビーフストロガノフの違い
ハッシュドビーフは日本生まれの洋食で、ビーフストロガノフはロシア料理です。
使っている食材も似ていますが、ビーフストロガノフはスメタナというサワークリームを加えるのが特徴です。
そのため見た目も白っぽく、口当たりもマイルドになります。
日本ではスメタナもサワークリームもあまり一般的に使われていないので、生クリームやヨーグルトなどで代用することが多いです。
まとめ
ハッシュドビーフとビーフストロガノフの大きな違いは、仕上げにスメタナというサワークリームのようなものを加えるかにあります。
また、ハッシュドビーフは日本で生まれた料理で、ビーフストロガノフはロシアで生まれた料理です。